Desert Beyond
ひさ



 tangled up with me

Steely Danのアルバムで
がちゃがちゃの統一性のないものなどない。
聴いているうちにどんどん引き込まれて
何度同じアルバムを通して聴いても良い。
一生聴ける音楽ってこういうものだと思う。
スティービー・ワンダーをジャンル分けしようとして
ソウルだと言うのがあまりにも無知で限定的なのと同様に
スティーリー・ダンをAORの範疇に無理にくくるのは
便宜的でいるようで多くの誤解を生み出すので
実は便宜的でも何でもないと思う。
それほどまでに良いステーリー・ダン。
"Aja"は昼に珈琲を飲みながらでも
夜にゆっくりくつろぎながらでも心にしみる名盤。


海。混乱という名のセットは時折押し寄せて
今の僕は沖を見る手段もわからず
ただ3,4本がとおりすぎていくのを
じっと静かに堪えているだけだ。
まるで波に気づかれないようにするかのように静かに。

寝る時間がやってくると正直ほっとする。
早く寝てしまいたいと思う。早く逃げたい。
起きると大抵5分くらい経てば現実に引き戻される。
全てに満ち溢れた現実へようこそ。

ジャンボジェット機に乗っていて
墜落していく夢をみた。
隣の人などが騒いでいて
スクリーンには訳のわからない方向に飛行機が
どんどん墜落するさまが映し出されていて
それは余計機内の混乱を呼ぶのだ。
僕は死に直面した。
一瞬の心の痛みの後、それも仕方ないかと諦めた。
飛行機は持ち直したかのようになったけど
また落ちる、というような繰り返しで
結局はどこかに不時着して夢は終わった。
昔は夢の中で、「これは夢なんだ」って思えたけど
最近は夢の中でそう思える余裕など微塵もなく
夢の中の僕はそれを現実だと思い込んでいる。

昨日はとにかくもう電源をオフにしたくて
午後九時になる前にベッドに潜りこんだ。
文字通りもぐった。
冬の朝、間違えて地上に出てきてしまったもぐらのように
僕は何も考えず後ろも振り返らずもぐった。
目をつぶるとまもなく静かな闇がやってきた。
オフ。


オン。
午前一時半。
めずらしく近所から話し声がしばらくしていた。
今のような時だから特にテレビのない生活は辛い。
テレビなんてなくていいけど
こういうときは別だ。
夜中に起きてしまって家族も誰もかも寝てしまっていて
人恋しいときにCDを聴くよりもラジオを聴きたい。
ツタヤは2時で閉まるので行ってみた。
街灯のない真っ暗な道を自転車で走る。
オリオン座はベルトから上を雲から出していた。
ツタヤは半額だったので
コールドプレイのライブDVDを借りてみた。
本当はなんでもよかったんだ。
人の熱さとかあったかさが少しでも伝わればそれでよかった。

CUTTY SARK。オリジナルスコッチ。
安いのになかなか味わい深いウイスキー。
バーボンなんかにはない味。
ゆっくり喉に流し込むと
オンザロックのスコッチは熱く僕の体を流れくだった。
生きてるんだな、と思った。

授業では先週薄く削っていった岩石の板を
グラインダーを使ってより薄く削る。
もくもくとただただ削っていく。
しゅるしゅると回るターンテーブルに
プレパラートつきの岩石の板を
包丁を研ぐかのように動かし削っていくのだ。
粗さの違うグラインダーでどんどん薄くして
プレパラートぎりぎりまで削る。
光がプレパラートと岩石を通すまで削る。
そのあとガラス板の上に粉をまいて
そこで仕上げるためにされに削る。
その仕上がった薄片を顕微鏡で見てみると
信じられないくらい綺麗な世界が広がっていた。
宝石を散りばめたような、とは言うけれど
岩石中の鉱物は宝石そのものなので
文字通り宝石が散りばめられていた。
透き通る青、紫、透明、白、琥珀色、黄色、赤...。

ふろふき大根をまた作った。
隣では薩摩芋を蒸かしてみた。
ほっけをちりちり焼いた。
ほっけの隣にじゃこ天も置いた。
一人でゆっくりと食べた。
I never meant to do you harm...


2005年12月07日(水)
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