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2018年06月09日(土)
上手に枯れる方がずっとカッコいい

書籍「終わった人」(内館牧子著・講談社文庫刊・540頁)から。
近くに住む妹が「誕生日祝い・還暦祝い、映画公開前に」と、
プレゼントしてくれた書籍である。
「トシ」という中年男性が、定年を迎えた主人公にこう呟く。
「壮さんの定年もそうだけど、
どんな仕事でも若いヤツらが取ってかわる。
俺は「生涯現役」ってあり得ないと思うし、
それに向かって努力する気もまったくないね。
あがくより、上手に枯れる方がずっとカッコいい」
この1年、ずっと考えていたことだったので、
抵抗なく、そしてやっぱり・・と腑に落ちた。
自分が迎えて実感するのは、60歳って意外と高齢。(汗)
60歳はまだまだ若い、なんて思っているのは、
周りの人たちのリップサービスであり、
「現役バリバリ」で働くことは、体力的に無理を自覚する。
もちろん、やりたいことは山ほどあるし、夢もある。
ただそれを実現する為に、自分が先頭に立って・・は、
社会のお荷物になりかねないことも、理解しておきたい。
自分がコツコツ貯めてきた、知識、知恵、人間関係を、
若い人たちに伝えながら、枯れていく。
それこそが、定年を迎えた人たちの心構えかもしれない。
書籍名「終わった人」は、決してマイナス用語ではない。
絶頂期は過ぎた、輝く年代は終わった、
ただそれだけを意識して、シフトチェンジすれば、
まだまだ社会に必要とされる存在として活躍できる。
そう理解して、読み終えた。
スッキリした気持ちで、映画を観ることが出来そうだ。