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2017年01月25日(水) ■ |
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成功の美酒に酔う、という言葉を知っているのにだ |
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書籍「まにまに」(西加奈子著・KADOKAWA刊・268頁)から。 さすが、と言うべきが、当然、と言うべきか迷ったが、 彼女の作品は小説でハマり、読み続けているうちに、 エッセイにまで辿り着いた。(笑) もちろん表現技術は雲泥の差があるが、気になる視点は、 私の感覚と似ているなぁ、と身近に感じて一気に読み終えた。 ある文筆家にこう言われた・・と綴っている。 「"濡れた"という言葉を頭につけると、 なんでもいやらしくなるのだ。やってみろ』と言った。 濡れた短歌、と言ってみた。本当だ、すごくいやらしかった。 濡れた体は、普通にいやらしいだけだ」 たぶん、私もいろいろ試してみて、本当だ、と大喜びをする。 また「いつか肴に」というフレーズにも反応している。 「『失敗しても、いつかそれを肴に酒を飲もう』という言葉に 助けられてきたのだった。 成功の美酒に酔う、という言葉を知っているのにだ」 これまた、私も「酒の肴に・・」と頻繁に口にする。 そして最後に、ちょっとひねりを加えて、にやっとさせるから、 もう楽しくて仕方がない。 彼女のエッセイをもっともっと、出来ることなら毎日読みたい。 もしかしたらだけど「川柳」も得意かもな。
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