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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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2000年12月01日(金)
「詩とメルヘン」と私 (42歳)

私にとっては、いつまでも素敵な贈り物である。
初めての出会いは23年前、今の家内とつきあい始めた頃。
学生の私が出来るプレゼントは、月に一度、
最終ページに自分の思いを綴ったメッセージ付きの「詩とメルヘン」。
東君平さんの「たりだりの日々」がお気に入りだった私。
プロポーズの言葉は「『詩とメルヘン』持って、お嫁においで」
だったと思うのだが、記憶が定かではない。
ところが、突然「メッセージ欄」がなくなり、
私は表現の場を失った。
ふたりはなんとか家庭をもったが、それから数年、
詩を読む時間は仕事に変わり、
心に余裕がなくなっていた時期があったなぁ、と思う。
そんなある日、小学5年生になった娘が、本屋で手にした本が
なんと「メッセージ欄」復活済みの「詩とメルヘン」。
その月から、私のギフト相手は娘に変わったが、
高校1年になった彼女の月に一度の楽しみになっているようなので、
続けていきたいと思っている。
時々、お気に入りの詩をノートに書き出したりしているし、
学校でも美術部に入り、毎日私にはよくわからない絵を描いている。
夏休みには「美術館めぐり」をした。軽井沢も鎌倉にも足を運んだ。
これも「『詩とメルヘン』の影響かな?」と
一人で喜んでいる私がいる。
たぶん、何年かして娘が嫁にいったら、
またギフト相手は家内に戻ることだろう。
つきあいはじめた当時のメッセージを読み返しながら、
「なぁ、今も変わらないだろう?」という台詞を、炬燵に入り、
蜜柑を食べながら、言いたくて言いたくて・・・。
これが「詩とメルヘン」と私。夢はきっと叶う気がする。
編集者の皆さん、
是非「メッセージ欄」はなくさないようにお願いします。
(静岡県)