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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1998年06月26日(金) ■ |
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苦しい登山も下りに楽しみ(40歳) |
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産経新聞 朝刊(談話室)
生活も経済も体力も、いつまでも上り坂とは限らない。 ずっと右肩上がりのグラフなんてありえない、 ということは誰でも知っている。 私も今年、四十歳を迎えた。 「四十歳からの心構え」を探していた私に、 とても気に入った言葉が見つかった。 「山登りの楽しみは下りにある」だ。 今まで、一生懸命いろいろなことに挑戦してきた。 運動ばかりやっていた時期もあった。 ときには家族サービスを忘れ、仕事に没頭したこともあった。 人生八十年の時代、ちょうど折り返し地点。 頂上ばかり気にして周りの風景すら目に入らなかった歩き方から、 自分の足元を注意しながら、 のんびり下る歩き方にチェンジしようと思う。 そういえば、登山の反対語は「下山」。 下山を楽しむために苦しい登山をしてきたと思えば、 いままでの苦労なんて何でもなくなる。 「山登りの楽しみは下りにある」。 名刺の肩書きの代わりに、書き記したい言葉である。
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