手首の痛みはもうだいたい治った、いざ岩登りだと意気込むHに、
Yが、ずっと治らなければいいのに、とつぶやく。
治ってしまったらば、もう一緒に釣りに行ってくれないからだ。
まるで、八百屋お七の心境である。
*
よくぞ言ってくれた、と胸の内で拍手喝采を送る。
色々と気を回す彼のことだから、その願いの理由には、 母がくたびれて不機嫌になるということも織り込まれているのかもしれない。
2014年06月03日(火) 2006年06月03日(土) 眼つぶし信号 2004年06月03日(木) 誰かのせいにしたい
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