2013年05月08日(水) |
もうそれは手に入らない |
納得がいかない、あるいはあきらめがつかない、という寒さから、ようやく解放された暖かい日。
種から起こしたカボチャの苗やらトマトの苗がすっかり駄目になってしまったよ、と家主であるKさんの奥さんが残念そうに言う。
そのとおり、今年の農作物被害は甚大だ。 この辺りには、株価の上昇にうかれている人間など、誰もいない。
消費地はスーパーに品物が並ぶ夏や秋まで危機感がないが、生産地は違う。 春先のこの有様では、収穫は絶望的で「もうそれは手に入らない」ことがわかっている。
スイカもリンゴもナシも桃も、すべて霜にやられた。 苗ものの野菜と違い、やり直しはきかない。 ではもう一回開花のやり直しを!と願っても、花芽はもうつかないのだ。
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桃やりんごは、今年の収穫が壊滅的となっても、 施肥や剪定やら、手入れの作業は例年どおりやらなければ、 来年、ものによっては再来年の収穫に結びつかない。
何と切ない作業だろう。 産まれる見込みがない子のために十月十日を過ごすようなものではないか。
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