教育基本法改正案に関する、古山明男という方の記事。
この法案は既に閣議決定され、国会での審議が見込まれている。 そして、教育の目標として「愛国心」や「公共の精神」をねらいとする 文言が含まれることで、現在、議論の渦中にある。
古山氏の文章を、一部記す。
「…教育基本法を改正する案が国会に出てきた。教育を根本的に見直すというのが謳(うた)い文句だが、根本的に見直したとは、思えない。つまり、戦後60年がたって、文科省が教育を指揮する仕組みそのものを検討する時期に来ているのに、いまだに文科省が指揮するやり方だけいじっているのである。」
学校教育の責任者は教育委員会とされているにもかかわらず、 文部科学省が院政体制でもって実質的に管理し、 教育現場は子ども達ではなく霞ヶ関を向いている。 そのシステムに問題があるのだ、と古山氏は主張している。
*
個性尊重教育も、ゆとり教育も、学力向上教育も、文部科学省がそう言ってきたから実践している。
教育現場に漂う主体性のなさを、子ども達が肌身に感じないわけがない。
その証拠に、ある日突然教科書を黒く塗りつぶさせられた、 戦後の子ども達の証言がいくらでもあるではないか。
もう少し言うと、基本法と名のつく法律の、理念に関する条文部分は、 刺身のツマみたいな存在感であるもの−「国民の健康と福祉の推進に寄与する」様の−と常々思っていたのだが、
最近の法案のそれからは、何か同意できない思想を押し付けられるような、 嫌な存在感を感じる。
2005年05月08日(日) Ping9
|