本日退院。
赤ん坊は病み上がりと入院のストレスで、すっかり青ざめている。 Yは方々を泊まり歩いて、寂しさが限界に達し、やはり青ざめている。 友達の家で五日間過ごしたAは、気丈に母を支えるが、やはり青ざめている。
私はといえば、「子どもを三人連れて終戦後に北朝鮮から日本へ戻るのよりはまし」といった具合である−今思えば、あの本を読んだのはまさにこの日のためだったのだろう−
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Hの遠征を、安請け合いをするのではなかった。 迷惑だから駄目だと言えばよかった。
青ざめた子ども達を前にして、 Hのライフワークがひどく陳腐なものに感じる。
何がアルパインクライミングだ。
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Hも私も同罪なのだ。
私はほとんどすべての遠征登山を、身内という特別な展望台からみている。
それは面白く、支える甲斐があり、共に歩むに足るものだった。
私は親の責任を放棄して、その展望台から早く登れとけしかけた。
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しばらくは、あの展望台には登るまい。
2009年11月19日(木) something greatとhumanbeing 2007年11月19日(月) 2006年11月19日(日) 2005年11月19日(土) ランディさんと私
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