Hをネパールへ送り出す。 その足で、山の家へ。
未練がましく実をつけているトマトを引きぬき、 雑草を抜いて、肥料をすき込み、新しい畝をつくる。
新しい畳が敷かれた部屋のようになった小さな畑へ、 冬菜とホウレンソウと小松菜の種をまく。
昨晩小さなYは、明日父はいってしまうのだから言いたいことがあったら言った方がいい、などと姉へ向かって言ったのらしい。
この人の頭の中は本当に変わっている。 否、この年の小さな子どもの頭の中は、と言った方がいいかもしれない。
何しろ、ひと月も遠い国へ出かけるということは、彼にとっては大変な別離だ。
Aはもうそんなことは慣れた、という風にしているが、 小さい弟達との留守を思うとそれなりに緊張しているのが背中でわかる。
私といえば、畑をやりながら、まあ頑張って来給えよと、心の中で小さくエールを送る。
2004年10月14日(木) スピーカーズコーナーで話したことのある人
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