2011年01月28日(金) |
出臼・エクス・マキナ |
小さいYを膝にのせ、さるかに合戦のものがたり。
地球儀を悪い猿、その辺に散らかっていた長3事務封筒を蟹に見立てて寸劇スタイル。
*
猿は、蟹のもっているおにぎりと柿の種をだまして交換させる。 蟹は猿に言われたとおり、柿の種を土に埋めて育てる。
早く芽を出せ柿の種、と長3封筒が歌い舞い、いよいよ「松の廊下」。
さるは柿の木に登って、熟した実をむしゃむしゃと食べました。 蟹は、自分の育てた柿だからやめてくれ、と言いました。 さるは、それならお前にもくれてやろうと言って、まだ熟していない固い実を、蟹に向かってなげつけました。
やにわに小さいYが立ち上がって、小さな木の椅子を地球儀の上におしつけ、 「そこへうすがさるの上におちてきました。めでたしめでたし。」 とやらかす。
蜂も栗も馬糞も、舞台の袖で唖然としている。
思うに、Yはもう耐えられなかったのだろう。 かくしてさるかに合戦は、この小さな観客によって、デウス・エクス・マキナの手法が採用された結末となった。
はるか古代ギリシャ時代にもきっと、 Yのような「もうその状況に耐えられない人」がいて、 この演出技法は誕生したのかもしれない。
2007年01月28日(日) 2005年01月28日(金) ホルマリン漬けの人権 2004年01月28日(水) ネガの虫下し
|