2009年03月24日(火) |
勝負するイチローの技 |
西松建設の巨額献金事件で小沢一郎民主党代表の公設秘書が起訴された件に関連して、小沢一郎の緊急記者会見。
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普通の政治家なら、続投しないような正念場である。 記者会見ならば、ご迷惑をおかけしてすみません、退場します、というコメントを予想している。
ところが、野球のニュース目当てに国民がテレビにかじりつくタイミングをねらって記者会見を開いた上、「国民のみなさんの負けるながんばれと言う声」「私が犯罪をおかしたような悔しい思い」ときた。
結果的に、イチロー、否、一郎選手は、報道番組での変な解説を通さず、直接国民に向かって長々と政治演説することに成功したのである。
まったく大したものである。 策士もここまでくれば、芸術的である。
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村上春樹氏のスピーチ「卵と壁」を思い出す。彼は、それがどんなに悪人でも、卵−個人−として存在する側に立つ、と言った。
小沢一郎氏は、どぶ板選挙を通して、優れた作家と同じぐらい個人としての国民感情をよくよく理解している。 作家と違うのは、そのことを利用する点である。
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自分の今置かれた状況を冷静に分析し、検察と個人という対立の構図を明確にすることで、勝負する個人というパフォーマンスを抜群に発揮し、本来的には決してクリーンなイメージでないにもかかわらず、妙に正々堂々と見えてしまうのである。
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