2008年05月18日(日) |
現代非国民−消費せぬ者は国民にあらず− |
福田首相、先日首相官邸で開かれた消費者行政推進会議で、各省庁にまたがる消費者行政部門を一元化した「消費者庁」を来年度、創設すると正式に表明した、というニュース。
一つの省庁を新設するというのは、大きな政策なのである。 そして、この「消費者庁新設」は、 概ね世論に賛同されているように思われる。消費者団体からの要請もある。
*
でも私は、なんだか腑に落ちない。 行政組織が、すべての国民に向けてではなく、 消費者という選択された存在に対して設立されることが腑に落ちないのである。
日本国民だけを対象にするとは限らない。 否、日本国民を対象にするとは限らない。
*
私達が為政者へ声高に主張しなければいけない権利や尊厳というものは、 消費活動なんかと関係なく存在する。
そういうものをガタガタに壊した政権が、「金を使い経済に貢献する者には−その範囲で−権利を保障しましょう」といっている。
新たに省庁をつくる前に、不祥事の続く厚生労働省を何とかする方が先ではないか、と思うのである。
*
そしてもう一つ。こんな省庁ができることで、 自分では何ひとつ生み出すこともなく、ただ消費の徒と成り下がり、 大人も子どもも口をそろえて「金を出しているのだから当然だろう」というような鼻息の荒い文化が 今後いっそう日本に浸透していきそうなことも、私は嫌なのだ。
2005年05月18日(水) 高度な理知の手 2004年05月18日(火) 資質かシステムか
|