寒い早朝に、Aと散歩に出る。
せっかちな私においてけぼりにされそうになったAは、 シクシクとべそをかきながら歩いている。
このところのAは、めまぐるしく身体が変化する私のことが心配でならないのか、 自分が心細いのか、始終私の傍にいたがる。
ちょっと立ち寄った先で、両手いっぱいの荷物が増える。 たちまち、優雅な散歩は労働に変わり、どうやって運ぶか算段する。
一人では持てないので、あなたは頼もしい運び手であると宣言した後、 二袋ほどAの分担とする。
Aは使命を果たすべく、それは相当に重かったはずなのだけれど、 丸めた背中に荷物を背負ったり、持ち方を工夫しながら歩いている。
いつしか泣きべそも止んで、力の出るまじないの言葉を叫んでは 坂道を駆け足で運んでいる。
2005年03月05日(土) 世界の常識、日米の非常識 2004年03月05日(金)
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