2005年03月05日(土) |
世界の常識、日米の非常識 |
アメリカ産牛肉の輸入規制をめぐる色々な発言。
嫌だ、いらないといっているのに押しかけてくるという力関係は、 化学物質の使用規制に関する昨今の動向と対照的だ。 とても、同じ国際間のやりとりとは思えない。
化学物質の規制やリサイクルに関しては、EUによる 「RoHS指令」とか「REACH規則」とか「WEEE指令」というものがある。 この「指令」とか「規則」というのが肝である。
EU各国間でばらつきの多い環境規制をなんとかするために始めたそうだが、 「EU内で商売したければ、こういうものしか受け入れませんよ。 出荷のときにはちゃんとそれを証明してくださいね」と、 はっきり明文化している。いわば、製品仕様書なのである。
日本では国際企業が、ある日突然これを宣告される。 RoHS指令などでは、これまで作っていたものは2006年以降はダメですと はっきりいわれているようなものであり、 まず現在の製品に使われている有害物質を材料レベルできちんと把握し、 さらに新素材を開発し、製品を開発し、製造ラインや管理体制を組まなければならない。 ものすごく面倒なことが、突然要求される。
だからといって世界の非常識とか言っていたら、もうEUで商売できないのである。 しかしキャノンなどの優秀な企業は、あっという間にその条件をクリアする。
こういう現実が動いているのに、 なぜあんな大国で牛の管理ひとつできないのだろうか、と不思議で仕方がない。 もうアメリカの牛の管理は、日本の企業に外注するとか、 JICAの途上国支援プログラムでも適用したらどうかと思うのである。
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もう少し書くと、日本では、いいかげんにEUに追随するだけでなく 国際間での新しいルールや規格づくりに積極的に参画しなくてはいけない、 という動きもある。 世界の非常識は国際社会のトップランナーによってつくられる、 ということは、もはや世界の常識なのである。
なぜ日米間だけ、市場のルールや消費者のニーズを無視して 政治家達であれほどねっとりするのか。 気持ちが悪いんである。
2004年03月05日(金)
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