春の雨と秋の雨、どちらが情緒的か。などと考えながら、 仕事の手を休め、バーデン・パウエルのメランコリックなギターをBGMに、 窓の外にみえる、湿った山々を眺める。
連休中に、不思議な車をたくさん見た。 速度を落として走行しているかと思えば、突然スピードをあげたり、 交差点を曲がった直後にスピードを緩めたり。 スクレイピーの羊みたいに、おかしな動きをするんである。 そういう車を、幹線道路や家の周りの路地で見た。
このあたりは一応観光地でもあるので、休みの時には 県外ナンバー車が来ること、道に迷った車があることは、 特段めずらしくない。 でもこんなのは初めてだ。こんな変な動きは。
*
カーナビのせいだ、と気付いたのは連休最終日。 ナビ画面をみて走っているから、地図を手に歩く人のようになり、運転がおぼつかない。 最短距離で誘導されるから生活道路に入ってくる。 という推論に達した。
ETCもカーナビも長年の検証がされていない機械だ。 かつらや育毛剤と一緒で、20年50年使い続けると人間に何をもたらすのか 未だわからない。
カーナビそれ自体の性能は、勝手に進化するだろう。 でも、道路とカーナビ、車とカーナビ、歩行者とカーナビ、交通とカーナビ、土地利用とカーナビなどの相関関係については、 まったくのところ、現在は社会実験中で、しかも成り行き任せという気がしなくもない。
とにかく、ああいった予期できない新しい迷走パターンは、 前後の車や歩行者に危ないから、なんとかするべきだ。
2004年03月22日(月) 慕情先生
|