浅間日記

2007年01月16日(火) 大人的パフォーマンス

珈琲屋のマッチで、ストーブの火をつけた。
Aが仰天して、一体その棒はどうなっているのかと聞く。

白桃の缶詰めを缶切りで開けた。
またAが仰天し、私の手元をじっと見て、
その作業は、自分が何歳になったらやらせてもらえるのかと聞く。

このあたりで気がついた。
スイッチ一つで車でも動かせるこの時代に、手仕事の技能は、大人が使う魔法なのだ。

そうかそれならばと、早速いやらしい行動に出ることにした。



Aの目の前で、ものすごくもったいぶって、ナイフで鉛筆を削ってみた。
これは、簡単にできない、大変に難しい作業であるというふうに。

しかし悲しいかな、どんなに演出しても手元は危く、仕上がりは美しくない。
そのせいか、マッチや缶切りほどAを仰天させることは不可能であった。

忘れていた。
自分は「最近の子どもときたらろくに鉛筆も削れない」と、
その不器用さを指摘された時代の子であった。

こんなことでは、子どもに示しがつかぬ。
何としてでも、鉛筆削りにおいて、子どもから尊敬の眼差しを受けたい。
シャープペンシルを排除して、特訓である。

2006年01月16日(月) マサヤ画伯への手紙
2005年01月16日(日) 枯れ木残らず花が咲く
2004年01月16日(金) 赤塚不二夫


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