今年最後の追い込み仕事。 果たして完遂できるのか、今回はとても心もとない。
孤独な仕事部屋で、成果を待っている人がいることだけを支えにPCに向う。
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インド遠征の、ちょっとした記事が届く。 書いたのはH君。
頂上直下から、前回の失敗と、それから今回の遠征までの2年間の思いが溢れて、 涙が止まらなかった、と書いてある。
ちょっと胸があつくなった。 H君は、前回足を怪我して、それでチームは敗退したのだ。
彼を「完全に打ちのめした」この挫折感について、 私は−友人なのに−少しも想像していなかった。 自分のせいでチームのみんなの夢を奪ってしまった現実を背負い込んで、 2年間、ずいぶん苦しい思いを抱えてきたのだろう。
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私は、今回の遠征のチーム編成については、ずっと反対していた。 重要なプロジェクトについて、一度しくじった人間と再びチームを組むことは、 少なくともそれが自分の仕事だったら、絶対に選ばない選択だった。 だから、Hの判断を甘いなと思っていた。
次は誰が何と言おうが絶対に登る、という異常な執着心と、 暗黒のような挫折感の中にいる仲間をリスクとともに引き受けることについて、 Hは一体、どこでどう整合させたのだろう。
連れあいながら理解できないが、そのうち話してくれるかもしれない。
身内のことで道徳の教科書みたいに結論づけるのは嫌だから書かないが、 とにかく、こういう形で成功したことはよかったと思う。
2005年12月07日(水)
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