浅間日記

2006年06月05日(月) 蟻の罪

初夏の山へ。

春蝉が鳴いている。シカが山をかけのぼる。


蟻の兵隊」という映画作品。
第二次世界大戦後も中国山西省に残留し、
中国の内戦を戦った日本兵がいる、というドキュメンタリーである。
7月から上映されるのらしい。

「私たちは士官の命令に従い、蟻のようにただただ黙々と戦った」
というコピー。

残留日本兵の一人であった奥村和一さんは、
真相解明と、被害者として、加害者としての自分を検証する。

奥村さんは、なぜ自分たちが残留させられたのかの真実を追い求める。
知らずには死んでも死にきれないという深い思いがあるようだ。


知らない事実があるものである。
奥村さんのような経験は、決してしたくないと思う。

どこの国に生まれた誰であっても、
蟻のようにただただ黙々と戦ったりしてはいけない。

知らされていない事実があるはずである。
蟻のように思考を放棄させられている部分があるとすれば、
その理由の多くは、事実を知らないからである。

社会的地位や経済力や自分が属するコミュニティの利害関係に関係なく、
人は絶対に、自分の考えをもつことを放棄してはいけない。
そして、知る努力をしなければいけない。無知は罪である。

つくづくそう思う。

2005年06月05日(日) 噺家の話し方教室


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