浅間日記

2006年03月02日(木) 高村光太郎の後ろ道

仕事の切れ目に、確定申告の準備。

自営というのは、常に沖に浮かぶ小舟みたいなもので、
港に係留されている漁船とか、横を悠々と過ぎる豪華客船や、
パナマ船籍のタンカーなんかをみると、時々どうしたものかと思う。

自分自身で方針と戦略をしっかりもっていなければ、座標を見失う。
それはとても恐ろしいことだ。



本多静六博士の「人生計画の立て方」あたりに、
この浮舟に何か有益なヒントが示されているだろうかと読み、
その様に自嘲する。
四分の一貯蓄法?私はドイツトウヒじゃない。
そんなものには、最早、なりたくてもなれない。駄目である。

まあそれでも、
人生は短く、しかるべき時点にはしかるべきマイルストーンが必要だ、
という考えは理解できた。
人生は短い。そして−本多博士は否定するけれど−何が起こるかわからない。


そうしているうちに気がついたことは、
とにかく私は、人の後ろを歩いてきた。今までずっと。
そしてまったく悪いことに、結構いけている人たち−本多静六みたいな?−の後ろを歩いてきた。
そういうことである。

私の前にも後ろにも、いつも立派な公道ができていたし、
昨日と明日のトラフィックは、準備怠りなくつながれていた。

でも、それはその道をつくった人たちが所有する人生と幸せであって、
私のものではない。
その道を長いこと歩きすぎたせいで、
私は今でも、時々再確認しなければそのことを忘れてしまう。

でもまあ、そういう昨日までのストックを明日につなげるという作業を
今度は自分の手でやっていけばいいのだろう。
そういう立場で、人の助けも借りたらいい。
丁寧にひとつひとつやっていくしかないのだ。

ああ、いくらか整理がついた。

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