辻井喬氏の新聞連載。 ハイネの「ドイツ・冬物語」になぞらえて、 日本人が現代日本を思い憂うことについて思索している。 以下抜粋す。
「…しかし現代だから、詩人たちは祖国とか愛とか言う言葉はとても使いに くいが、ハイネが自分の国を愛するがゆえに批判して『冬物語』を書いた気 持ちはこの二十年ほど切実に響くようになったのだ。(中略)いまの僕らの 問題は、どうやったら大勢の人に読んでもらえるような、あまり悲憤慷慨 (ひふんこうがい)調になってしまってはいない『日本・冬物語』を書くこ とができるかということではないか。」
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自分のフィルターを通過し、血肉として取り込むものは、 悉くこうした思索めいたものばかりで、そのことに時々迷いがないでもない。
何かのハウツーにつながるものでもない。 マイレージもたまらなければ資格もとれない。 もちろん、日記のアクセス数にも、全く関係ない。
でももうそれは、自分が自分を維持するために仕方がないのだ。 たとえ明日、家の米をきらしたとしても、 現代に失望せず、思索を続ける人からの話をきらすことはできない。
2005年01月10日(月) 教育考再び
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