天気のよい休日。 部屋の掃除を終わらせて、AとHは散歩にでかける準備。
机にむかう私の横へAが神妙な顔でやってきて、 何かと思えば小さな花を届けてくれた。 道端か前の畑で摘んできたのらしい。 お礼を言うと満足して去っていった。
子どもという人たちは、時々こういうことをする。 大好きな人を喜ばせるために、指でつまめるほどの小さな野の花を、 ダイヤか金塊のように大切に運ぶ、なんてことを。 しかも、法王選びに勝るとも劣らない重要任務として、それを成し遂げるわけである。
想像力と許容力があれば、大人でもこの世界は少し共感できるが、 子どもには到底かなわないだろう。
そしてできの悪い親の私は、仕事をするからあっちへ行けなどと 頭ごなしに説教しなくてよかった、と胸をなでおろす始末である。 しかも、今回セーフであったのはたまたまであって、いつもではない。
2004年04月23日(金) 検分上手な話
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