単身上京。
車中で、とある本を読む。 ちょっと書けないほどの、一見かなり低俗な本を読む。
大切なことを低俗な言葉で低俗に伝えなければ、 それも通常のレンジを振り切るような低俗さで伝えなければ、 まっすぐ心に伝わらないシチュエーションというのもある。
「人生でいちばん大事なことは、大切な人をみつけることです…大切な人ができたら、その人より1日、1時間でも長く生きなければなりません」 「生まれることと死ぬことは、人は自分では決められません。決めてはいけないのです。」
無粋な私は、すぐに低俗の装飾を剥いでしまい、 本当に伝えたいのは、最後のここの部分なんでしょ、と決め付けてしまう。 まったく無粋である。
嘘と偽善で汚染された世間という海に入り、底の底まで潜っていって、 笑いとユーモアという熱水鉱床でわずかに生き残る「未来への希望」という微生物をすくい上げる作業、 というのはいささか褒めすぎかもしれないけれど。
2004年03月03日(水) 寒の戻り
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