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おとなの隠れ家/日記
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2005年02月14日(月)
You are my Valentine.




いくら食事したり飲みにいったりしたことがあっても
当日に誘うのには躊躇する。



バレンタインデーならばちょっとしたプレゼントも渡しやすい。
カードをつけなければ、ついでに、などといいわけもできる。
チョコレートだけなら、なおさら。
手づくりじゃ怪しまれるかもしれないが。


売り場にいくと、まさに戦場。
人だかりしているブースには、特別なものが置いてありそうな気がして
一応確かめてみたくなる。
こういう時には日頃気になる背丈も有利だったりする。


ハートの形は、いきすぎだろうな。
いくら小粒でも。
かわいらしいものより、おとなっぽさを演出したい。
やはり、見かけより味だろう。


5thアベニュー
名前がオシャレだ。
NYのファーストクラスのティーブレイクに用意されるチョコ、
というキャッチコピーもいかしてる。
生チョコを小さくカットしてある試食を口にいれてみた。
甘く溶けていく口当たりと、シャンパンの味と香りの組み合わせが新鮮だ。
氷のキューブサイズが4個、木箱に入っている。
これにするか。


買ったはいいが、どうやって渡そう。
みんなの前で、というのも少し照れる。

別にこの日じゃなきゃ、というわけでもないが
どちらかといえばこの日がいい。

夜の予定、聞いてみるかな。
携帯をバッグから取り出し、メモリに入っている番号にかけてみた。


「うん、明日の晩は空いてるよ」


そうか、よかった。
しかし、当日の夜となると食事するお店も混雑しているだろう。
今から予約といっても、お気に入りの店では無理かもしれない。


「じゃぁ、うちにくる?」


思いきって誘ってみた。
あっさりとOKがでた。
頬が熱くなるのがわかった。

そのまま、食料品売り場にいき、チーズを3種類とワインを買った。
かためのパンが好きだったな。
サラダ用に、野菜とフルーツトマトを手に取り、
買い物かごに放り込みながら
きっと、私、今にやにやしているんだろうなと思った。
あ、これははずせないわ。
キューリのピクルスが好きだといっていた。


仕事が終わるとそのまま一緒に電車に乗った。
部屋につくと先に入ってスリッパをすすめる。

「部屋に招待って、なんか緊張するよ」

「カーテン、開けてみて。 たいした夜景じゃないけれど」


昨日のうちに用意しておいたサラダ、チーズとパンは適当にカットし
リビングに運んだ。

「まずは、ワインで乾杯しましょう」


すっかりくつろいで、お互いにいろんな話をした。
昔の恋、ききたいような、ききたくないような複雑な心境ではあったが
好きな人の話は、やっぱりききたいもの。


そのうち、酔いがまわったのか、膝枕をねだられた。

そのまま、話していたけれど、だんだんと口数が減り
やがて私の膝の上からかすかに寝息が聞こえてきた。

「寝ちゃったよ」


膝に当たる温かい胸の膨らみに、体の奥がしびれるような感覚だった。

「私も酔ったみたい」


起こさないように少しずつ体をずらし
クッションに頭を乗せ変えて、私はソファーから降りて座り込んだ。


目の前の髪に触れたくて、触れたくて。
そっとなでてみた。
起きる気配はない。

頬にかかる髪を人差し指と中指で耳にかけると
ぐっすりと眠った寝顔が、抱きしめたくなるほどに愛らしい。
そっと唇を唇に重ねてみた。

柔かな感触が体中に広がった。


「私だけの秘密、いまはまだ」


バレンタインデーの夜
大好きな彼女と一緒に過ごせたことに乾杯。
私は、グラスに残っていたワインを一気に飲み干した。


You are my Valentine.