-- holic --



2002年01月19日(土) 醜い


精神的に参っているのは風邪のせいだと思った。
そう思うと、すこし肩が軽くなって気分が晴れた。
でもやっぱり些細なことでどんどん気分は下降する。

友だちがやっぱり自分の愚痴を言うだけ言ってさっさと電話を切ってしまったこと。
機嫌が悪いらしい父親が、わたしの行動にいちいち意見をしたこと。

たったそれだけのことが、わたしの気分を暗くさせた。
そんなことを、彼氏に言いたかった。
だけどまた、些細なことが起きてしまった。

来てるはずだと思ったのにメールが来ていなかった。

これだけ。
なんて傲慢な女なんだろう。
それだけで一気に落ちてしまった。
どうしようもないくらい、足下に地面が見えなくなってしまった。
電話で泣き続けるわたしに、とうとう彼氏が気分を害してしまった。
なだめる声が非難する声に変わる。
冷めた声に変わる。
子供っぽい、駄々をこねた声に変わる。
酷く冷めた。
電話を切りたい。
それしか浮かばない。
言わないで分かってほしいと思っていた。
聞こえないからもう一度言って、と言われるのが裏切りに聞こえた。

殺すよ。

無意識にそう言った。
しまったと思ってももう遅い。
相手はすっかり泣いてしまって、必死になだめた。
気がつくと向こうは落ち着いて、やっとのことで親と少し嫌なことがあったと言えた。
逆にこっちが慰められた。
ごめんねと言われた。
その落ち着いた声が裏の見えない声で、怖くて怖くて泣きわめいた。
無意識だった。
恐怖の感情を抑えようと、体を殴りつけていた。
思い切り腕を振り下ろす気持ちの良さと、
腕や脚に広がる鈍い痛みが気持ちを少しでも正常へ戻してくれる。
怖い、怖いと言い続けるわたしを必死で、なだめてくれた。
もしかしたら単に頭がおかしくなったと思われたのかも知れない。
だけど声に彼の感情を感じたから、落ち着けた。
穏やかな感情の見えない声はこれ以上なく怖い。
信用できない。
今も分からない。
本当に心からの優しさで接してくれているのか、半ばあきらめているのか。
そう思うと安心して接することが出来ない。

毎日こんな調子でどうするんだろう。
助けてもらいたい。
でも、求めすぎると相手が壊れてしまう。
だけど今の自分じゃダメだと思う。
すがりたい。
ドロドロに誰かに寄りかかりたい。

なんて自分本位な、愚かな人間なんだろう。



BACKNEXT
FIRSTNEWLIST


message




dot