つれづれ日記。
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2012年10月12日(金) てぃるのぐ建国祭(仮)・その9

「感謝しなよ。せっかくの休みをつきあってあげてるんだからさ」
 結わえた髪がぴょこぴょこと揺れる。いつもは仕事の邪魔にならないように無造作に一つにまとめてるから、なんだか新鮮な感じ。
「黙ってれば可愛いお嬢さんで通るのに」
 ぼそりともらすと頬をつままれた。
「言っとくけどあたしがあんたより一つ上なんだからね」
「わかってる」
 こういうところがなければ。
 どちらかというと、さばさばとした、と言うよりも男の子っぽい口調のクレイア。小柄な外見と実際の姿とのギャップが相まって、なんだか不思議な感じ。そう言うと、あんたの方こそ変わってるって言われた。
「普段はしっかりしてるくせに、妙なところで臆病なんだから」
 特に体型とか。痛いところをつかれて押し黙る。だってこればっかりはどうしようもないじゃないか。
「わたしだって、もう少しすれば……」
 小声でつぶやきながら街道を歩く。ほどなくして見慣れた工房が姿をあらわした。
「ユータ、いる?」
 ノックして扉を開けて。鍵がかかってるかもと思ったけど扉はすんなりとあいてくれた。視線をめぐらせれば、横たわるひょろっとした人影、もとい、男子の姿。
「完全に寝てるな」
 あきれ顔のクレイアと相棒を交互に見やる。本当ならハリセンでも使って吹き飛ばしたいところだけど、用があるから無駄なことはさけたい。
「ユータ、締め切り!」
 耳元でさけぶと大きなひとかげはのっそり起き上がった。
「……イオリ? そっちは――」
「久しぶり。まだ寝ぼけてる?」
「クレイアか」






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