2012年02月04日(土) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)・21 |
思わず拳を握りしめてしまった。いい体ってなんだ。 「『骨格と筋肉とのバランスがとれた、将来の有望株』っていったところかな。将来が楽しみだ」 しかも将来が楽しみってどういうこと? 自慢じゃないけど、わたしは、その―― 「まだ10代だよね? 悔しいけど俺なんかあっという間に追い越してモテモテになるんだろうなあ」 女の子らしくないし―― 「そうじゃの。わしの若い頃を思い出すの」 「またまた。いくらなんでもこの子くらいカッコいい男の子にはなれないでしょ」 ……ん? 「白花(シラハナ)って容姿端麗な人が多いのかな。トモエさんも美人だし、ソハヤさんもなんだかんだいって男気あふれてるよね」 君はどんな男に成長するのかな。将来が楽しみだとか言われて。ここで、わたしは今まで感じていた違和感の正体がようやくわかった。 「あの」 『ん?』 思ったよりも低い声が出てしまった。 「わたし、イオリ・ミヤモトって言います」 「ご丁寧にどうも。俺はリオ・シャルデニー」 「わしはジャガジャット。通称ジャジャ爺じゃ」 それはさっき聞きましたしちゃんと覚えました。 「わたし、女です」 「確かにそう見えないこともないけど、やっぱり無理あるかな」 「お・ん・な! です」 事実を述べると笑って談笑していた二人の男性陣の声がぴたりとやんだ。 「……本当に?」 「坊じゃなくて嬢ちゃんだったかい」
過去日記
2011年02月04日(金) 委員長のゆううつ。プロローグUP 2010年02月04日(木) 「世界観構築における100の質問」その4 2008年02月04日(月) 01. 制服を着た女子高生 2005年02月04日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,42UP 2004年02月04日(水) 旅立ち準備中
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