2010年07月05日(月) |
委員長のゆううつ。その2−35 |
一言でいえば甘かった。 異なる世界と書いて異世界。生まれ育った世界とは違う以上、ここでは常識は通用しないんだ。 周りには先輩以外誰もいない。 「自分の身は自分で守る。これが世の中の常識」 それとも誰かに守ってもらいたいタイプ? と表情で聞かれ頬に赤みがさす。 「……っ」 手のひらで顔の涙をぬぐう。声をあげるのはやめた。自分が負けたような気がして嫌だったから。 「あたしは先輩と違いますから」 先輩と違って異世界にも慣れてないし化け物と遭っても逃げるしか能がないしがない女子高生ですから。 「リズっち達は先に行ったよ。どうする?」 ここで一人になりたいって言ったら一人にさせてもらえるんだろうか。でも見ず知らずの場所で置いてけぼりにされるほど怖いものがないってことも知ってる。 「行きます」 涙をぬぐって顔を上げて。 修学旅行は始まったばかりだ。
過去日記
2007年07月05日(木) バトンです 2006年07月05日(水) ブレイブ・ストーリー 2004年07月05日(月) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,14UP 2003年07月05日(土) SHFH6−8
|