2010年07月01日(木) |
委員長のゆううつ。その2−31 |
ガサッ。 たぶん物音だと思う。 「誰かいるの?」 右を見ても左を見ても誰もいない。 ふいに今までの会話が脳裏をよぎる。手元にあるのは水の入った桶と水筒。 「カリンくん?」 霧の中から現れたものは。 「……うさぎ?」 茶色がかった毛並みに長い耳。猫よりも少し大きいくらいの体躯のそれはうさぎ以外の何者でもなかった。 うさぎだったら地球でも普通に存在している。小学校の時は友達と一緒に小屋の掃除だってやったし。確か水あげすぎるとよくないのよね。 「怖くないよ。こっちおいで」 異世界で日本語が通じるかはわからないけれど、物は試しで呼びかけてみる。 口笛を吹いて、手招きすること数分、うさぎはとことこと近づいてくる。 異世界でも可愛い動物はいるのね。変なところで感心していると、今度は茂みから物音がした。子うさぎは音のした方角を振り向いている。もしかして仲間か親なんだろうか。 三度目の物音と同時に現れたもの。 「うそ」 こんなうさぎ、地球には存在しない。たぶん。
過去日記
2005年07月01日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,62UP 2004年07月01日(木) SHFH12−6 2003年07月01日(火) 休日の過ごしかた。その1
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