SkyHigh,FlyHigh!
Part,12−6
「……落ち着いた?」
「ん……」
涙をぬぐうとシェリアは立ち上がった。
本来なら何か言うべきなのかもしれない。だが、まりいにはそれができなかった。
「ごめんなさい。これじゃいい迷惑ね」
苦笑すると扉に手をかける。
「今日は休むわ。二人ともおやすみなさい」
「部屋まで送ろうか?」
「一人で大丈夫。だってここはアタシの家だもの」
そう、ここはシェリアの家。広くて豪華で、でも空っぽで――
「シェリア!」
去り行く後姿にまりいは声をかけた。
何か言わなきゃいけない。でも、なんと言えばわからない。
「明日、街を案内してくれない?」
そう言うのがやっとだった。
まりいの気持ちが伝わったのだろう。公女様は少しだけ笑みを浮かべると言った。
「まかせて。ここはアタシの庭なんだから!」
過去日記
2003年07月01日(火) 休日の過ごしかた。その1
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