つれづれ日記。
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2010年04月19日(月) 委員長のゆううつ。17

「じゃあそれも?」
「は?」
 今度はあたしが眉根を寄せると先輩はぴっと指先をあたしの顔に向ける。
「それもイインチョウだから?」
「……委員長だからです」
 そんなわけあるか。
 単に視力が悪いのとコンタクトが合わなかったからだ。
「メガネは委員長の専売特許なんです」
 そう答えるのもめんどくさくなってきたので曖昧にうなずく。
「勉強してると視力が悪くなるから仕方ないんです」
 たわいもない話をしているうちに家に帰る時間になる。
「付き合ってくれてありがとう。近いうちにまた埋め合わせするよ」
「約束しちゃいましたからね」
 成り行きとは言え言ってしまったからには仕方ない。
 あたしは委員長。
 小学校中学年からはじまって中学、果てには高校までクラス委員を歴任してしまった。いわば、筋金入りの委員長。
 かといって、生徒会役員やましてや会長ほど多忙な業務を行うわけでもなく。どちらかというと先生達や生徒会の伝達事項を受け継いだり、逆に、数十人のクラスメイトの意見や苦情を聞いたり。いわば、しがない中間管理職ってところ。
 でも任されたからにはやるしかない。先生に呼び出されては雑用を手伝い、行事があればみんなを一つにまとめていく。
 転校生がきたら嫌な顔ひとつせず――というわけにはいかないけど、それなりに学校を案内してあげ、必要に応じては相談事にものる。
 そう。あたしは委員長。何があっても動じることはない。たぶん。
「じゃあまたね。詩帆ちゃん」
 そのはずなのに。
 この時点であたしは大いなる災難の渦中に片足を突っ込んでいたのだ。
 






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香澄かざな 




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