2010年04月18日(日) |
委員長のゆううつ。16 |
確かにカロリーは半分になった。でも太るのは間違いない。かといって、押しつけたままも気がひける。 仕方なく半分を口にしていると先輩は顔を近づけてきた。かといって何か話すわけでもなく。もぐもぐとパンを口に入れたままこっちをじっと見つめている。 正直やめてほしい。そんなに見られる容姿でもないし、異性に顔を近づけられてどぎまぎしない人はあんまりいない。それとも外国人ってこんなものなのか。 ごっくんと飲み込む音が聞こえた後、先輩はにっと笑った。 「君ってさ、人いいよね」 「は?」 言われている意味がわからない。眉根を寄せると先輩は続けて言った。 「見ず知らずの人間に二つ返事で道案内するなんてさ。おまけに食べ物までくれちゃって。場所が場所なら襲われかねない」 「馬鹿にしてますか?」 「ほめてるんだよ。ここの世界の人間ってみんなそうなのかい?」 そうは言いつつも、先輩の言動や瞳からは別の意図がみてとれる。ような気がする。うまくは言えないけど。 「それは」 「それは?」 おうむ返しに尋ねる先輩についさっきと同じ答えを返す。 「委員長だからです」 委員長だから親切にしないといけない。記録物や物事の取り締まりはもちろんとして。大抵のことはやっておかなければ。 もれなく内申点もあがるし。 「大変だなぁ。イインチョウって」 「大変です」
過去日記
2004年04月18日(日) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,9UP
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