雲間の朝日に想うこと


< 思い通りに動いてますか >


あの子の口から出てくる言葉に、
俺は戸惑いを隠せない。


 「あなたが結婚を出来るようになるまで、
  3年くらいかかるんでしょ?」




ついこの前まで、

 「もう結婚なんてしない」

そう言っていたはず。

戸惑いを自分で支えられなくなって、
誘われるように俺から聞き返した。

きっとその答えは、
戸惑いを増やすだけでしかない事を、
本能的にはわかっているのに・・・。



 「結婚する気になったの?」
 「あなたとね♪」



あの子の言葉に鋭く反応して狼狽する俺の姿を、
あの子は楽しんでいる。

良いように遊ばれているのがわかっていても、
俺の身体も心も頭の中も、
あの子の敷いたレール通りにしか動けない。



 「今の人はそれまでの仮住まいだから・・・」


あの子の最後の言葉は、
まるで俺を縛る呪いの言葉。


2002年01月31日(木)


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< 俺の気持ちは偽物ですか >


貴女の言葉は残酷で、
今も鋭く俺の身体の真ん中を刺している。


 「あなたの恋は病気みたいな物だから・・・」


貴女が時々俺に言う、
とても後ろ向きな言葉の数々に、
俺はいつも怒りを感じているけれど・・・

貴女にそう言われてしまうのは、
俺の想いがまだ足りないせいだから、
俺はいつも悔しさを感じているけれど・・・




 貴女の好きは本当の好きだけど、
 俺の好きはただ憧れのような好き。





もしかしたら、
本当は貴女の言う通りかも知れない。

俺の見えない何かが、
貴女にはもう見えているのかも知れない。



だからこんなに怖いのかな・・・


2002年01月28日(月)


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< 二人の形が中身より大切ですか >


言いたいことも言えないんだとしたら・・・
こんな足枷外してしまえば良い。
友達の方が気を遣わない相手ならば・・・
こんな足枷外してしまえば良い。

「恋人」

お前にとって、
この言葉は足枷でしかない。


それならば、
こんな重荷をさっさと投げ捨てて、
気楽に付き合えば良い。
きっとその方が、
お互いをもっと良く分かり合える。



どんな会話でも、
お互いを知る為に無駄な物はない。
どんな冗談でも、
お互いを繋ぐ為に無駄な物はない。
どんな喧嘩でも、
お互いを紡ぐ為に無駄な物はない。

けれども、
それは「恋人」と言う言葉によって、
奪われている。


この言葉が足枷になって何も言い出せないのなら・・・
この言葉が足枷になって何も言い返せないのなら・・・






それは自明の事なのに・・・

足枷を外せば、
きっとお前は耐えきれずに去って行く。
「前進」の為に「別れ」を選択する事は、
お前には出来ないだろうから。


それでも重荷を取ってやる事が、
俺のすべき事なのだろうか?


2002年01月24日(木)


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< 俺を求めて泣いてませんか >


「どうして泣いてるの?」


隣に貴女はいないのに、
隣に俺はいないのに、

こんなに求めあって・・・
こんなに一つになって・・・

こんな経験は初めてだから、
流している涙は嬉し涙だ。

貴女はそう答える。





「どうして泣いてるの?」


確かに貴女が下にいたから、
確かに俺は上にいたから、

こんなに求めあって・・・
こんなに一つになって・・・

こんな経験は初めてだから、
流している涙は感動の涙だ。

貴女はそう答える。





けれども・・・

貴女はここに居ない。
俺もそこには居ない。


 その一粒一粒は迷子の時の切ない気持ち
 その一波一波は迷子の時の怯える気持ち
 その一滴一滴は迷子の時の辛い気持ち
 その一筋一筋は迷子の時の求める気持ち



震える声の奥で流している貴女の涙は、
俺にはそう感じられた。


2002年01月22日(火)


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< それでも許してもらえるでしょうか >


今お前が怒っている事、
それは俺が今までずっと怒ってきた事。
今お前が悲しんでいる事、
それは俺が今までずっと悲しんできた事。

今お前が感じている事、
それはきっと、
俺が今までずっと感じてきた事に違いない。



俺がどんな想いをしてきたか、
今のお前には届いたよね。


こうする事でしか、
お前に想いをわかってもらう手段が浮かばなかった。


 確信犯・・・


傷つける事をわかっているけれど、
あえて言葉を封印してみよう。
お前が俺にしてきた事を、
素直にそっくり返してみよう。

決して許されてはいけない行為なのに。


2002年01月18日(金)


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< 今日はどのくらい感じましたか >


徐々に輪郭が見え始め、
段々と鋭くなってゆく意識の向こうには、
貴女の声がある。

隣でふんわりと包んでくれている様な気がして、
暖かくて柔らかい場所に、
素直に顔を埋めてみたくなる。


無意識に指先が動き、
無意識に身体が反応し、
気がついた時にはもう手遅れ・・・

言葉が貴女を求めて彷徨い、
大脳は貴女を想い浮かべ、
身体全体で受話器の向こうの貴女を弄んでいる。


朝から至福の時間・・・


2002年01月12日(土)


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< 変われない原因は俺ですか >


どうしてかな・・・

電話かけたら喜ぶんだろう、
そう思って携帯に手が伸びる。

どうしてかな・・・

俺から電話をかけてしまえば、
今まで話し合った事は無駄になるかも知れないのに。


お前の事がまだ好きなのか?
習慣になってしまって落ち着かないのか?
ただの義務感か?


以前のお前に戻りつつある事は、
俺にとって良い事なのだろうか?

声のトーンから、
今までの様子から元に戻るお前が伝わってくる。


また・・・
同じ事を繰り返してしまった・・・


2002年01月10日(木)


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< 今日は帰ってくれませんか >


「どうして電話してきたの?」

そう聞いた俺に、
すぐに返事を出来なかったね。

「どうして逢いに来たの?」

そう聞いた俺に、
やっぱり返事出来なかったね。


あんなに後味の悪い電話の切り方は、
初めてだったかも知れない。
あんなに歯切れの悪いメールは、
初めてだったかも知れない。
だからきっと、
本能的に逢いに来たんだろう。

けれども、
逢えば解決できるわけではなく、
むしろ解決が遠ざかってしまうに違いない。


 逢わない方が良かった・・・


目の前のお前の甘える姿に、
曖昧なまま抱いてしまいそうな自分。

男って最低。
俺って最低。

ついさっき月に一度の日になって、
お前はすごく残念がっていたけれど・・・

うやむやに体を合わせて解決するより、
それで良かったのかも知れない・・・


2002年01月06日(日)


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< 相手が違うと感じませんか >


同じ人生を歩んだわけじゃないんだから、
自分の気持ちを他人が全部理解できるわけない。

信じた相手が「受け止める」と言ったなら、
とことん信じるしか道はない。

かつて俺の前でそう言ったあの子が、
その言葉を打ち消すように、
受話器の向こうで彷徨っている・・・



まるで他人の発する言葉の様に、
勝手に俺が言葉を選んで口を開いている。
けれども一方で、
答えてはいけないと俺に警告を発する奴もいる。

あの子の声は普通じゃない。

いつもにまして突然の電話に、
酔ってふらふらの頭を平静に保つために、
心臓がものすごい速さで拍動している。



ヤケになって壊れたあの子も知っている。

今日必死に彼氏に伝えたはずのあの子の過去も、
何故か俺は知ってしまった。



どういうつもりで俺を頼っている?
なんで俺にはそんな大事なことばかりぶつけてくる?
どうして「あなたを狙ってる」なんて言える?

どこまで冗談だか、
全く見当がつかない・・・


2002年01月04日(金)


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< 少し休んで良いですか >


無性に欲しかった貴女の声。

いきなり泣かれて少し驚いたけれど、
俺の前で泣いてくれるのは、
やっぱり嬉しかったりするんだよ。


どう考えても聞き手は俺で、
どう転んでも話し手が貴女だったけれど・・・
俺が癒されていると感じるのは、
どうしてだろうね?


2002年01月03日(木)


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< 会って話をしたら伝わりますか >


初めて逢って抱きしめた時、
お前は「この先も大丈夫」と言う確信を得たのかも知れない。

けれども、
その過去の出来事にこだわって現実を見なければ・・・

お前は何も変わってない。

結局逢うまでの俺の努力は、
お前の気持ちを変える事は出来ていないんだ。
逃げてばかりのお前が、
すぐそこにいる。


昨日もらった電話は、
確かに待ち望んでいた電話だった。

でも昨日もらった言葉は、
待ち望んでいた言葉ではなかった。


 少しでも気持ちが残ってるのなら、
 ゆっくりでいいから見ててくれないかな?
 今までを無駄にしたくないよ。


お前の言葉は、
俺の心には響かなかった。

 少しでも俺の気持ちは残ってるのか・・・
 ゆっくりで果たして俺は耐え切れるのか・・・


きっとまだ、
お前は俺の気持ちがわかってないんだね。

俺が俺の気持ちをわかってないのだから・・・


2002年01月02日(水)


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< 始まりはいつも俺ですか >


いったい何をしているんだろうか・・・
年が明けてから、
お前の事が気になりっぱなし。

昨日は楽しく過ごせたのか?
今日はどこに行っているんだ?


俺の事が気にならないのだろうか・・・
年が明けてから、
お前の気持ちが気になりっぱなし。

昨日は波乱の大晦日だったよ。
今日は日の出を見に行きました。



やっぱり・・・
お前から「良いお年を」はなかったね。
お前から「明けましておめでとう」もきっとないんだね。


お互い意地になってるだけなんだろうけれど、
今回はもう少し我慢してみるよ。

たまにはお前から始まっても、
良いんじゃない?


2002年01月01日(火)


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