雲間の朝日に想うこと


< 気持ちが足りなかったですか >


どんなに話をしても、
結局お前は納得したフリ。

友達と帰りが同じ便と言うだけで、
友達に敵意を向ける。


喧嘩別れももう慣れた。


お互い強情だから。
お互い譲らないから。

それじゃ何も変わらない。


 「心配りが足りなかったね。」
 「あんまり相手できなくてごめんね。」


心にも無いご機嫌取りに、
反吐が出る。

都合の良い事に、
その馬鹿らしい行為に効果があるから、
さらに腹が立つ。




 君のことはいつも最優先なのに
 どうしていつも謝るのは僕なの?




お前が聞き込んでいるあの曲に、
妙に共感している俺に気づいて・・・
余計に腹が立つ。


2001年07月27日(金)


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< お前の大切な友達じゃないのか >


お前が会いたいと願って来た友達。
お前と俺が出逢った世界で、
初めてお前と繋がりを持った大切な友達。

それを知らない俺じゃない。


会える機会も作ってあげたい。
友達との時間も作ってあげたい。

そう願って、
必死に作って、
お前にプレゼント出来た機会。


そんな貴重な時間だと、
お前は想えないんだな・・・




 「明日一日は、友人達との時間にしようね♪」



俺らだって逢うのは久々。
だからこそ今日まで、
目一杯お前と過ごしてきた。

お前は友達の事を第一に考えるヤツだから・・・

だから「明日は友達最優先」と言われても、
当然の事だと納得できる。
俺も友達に気持ちを注げる。



けれども・・・



目の前にいるその友達を、
お前は敵として認識している。

敵への視線は、
その子が俺に口を開く毎に、
俺がその子に口を開く毎に、
激しさを増してくる。



 何故その友人にへそを曲げるんだ?
 お前も会いたいと言っていた人じゃないのか?


戸惑いと・・・
嫉妬と・・・

お前への好意が、
無下に踏みつけられた気がして・・・
お前との約束が、
お前自ら破られた気がして・・・




俺にあたるのは構わない。
けれども・・・

この輪の雰囲気を壊したお前を、
俺は絶対許さない。


2001年07月26日(木)


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< 試す言葉に効き目がありますか >


画面から響く罵りの声。
付き合い始めたばかりの若い二人に、

 「結婚を前提につきあってみなさい」

結婚を許さない親の言葉。

この若い二人と自分達を比べて、
自分は大人だと思ったんだろうか?

お前だって俺だって、
端から見たらこの二人と変わらない。




 「早くおとんに挨拶して!」



何を根拠にこんな強気を言えるのか、
お前の言葉にお前を疑う。

結婚できるほど、
まだお互いを分かり合ってない。




ただ甘えているには違いないんだろう・・・
ただ否定して欲しいだけだろう・・・


 「お見合いしてイイ?」


無責任な言葉の数々に、
無性に腹が立つ。

口だけでも否定する俺を見れば、
それでお前は満足なんだ。


2001年07月24日(火)


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< 蟷螂の毒を隠していますか >


お前の友達が、
どんな気持ちでシングルマザーを決意したか、
一生懸命考えなかったのだろうか・・・


男と別れた直後に、
自分に宿った命に気付く。

そんな時の彼女の気持ちなんて、
必死になったって半分もわかりゃしない。


「あたしにも仕込んで♪」


そんな軽口がお前に言える事が、
不思議でしょうがない。

応援する気持ちを持ち続けるのは、
見た目よりも相当難しいのに。



ただ子供が欲しいだけなら、
子を成した雄を喰らう蟷螂のように、
俺を喰えば良い。

今のままで良いなら、
中身が必要ない薄っぺらい関係で良いなら、
さっさと俺を喰え。


2001年07月23日(月)


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< 求め合うのは自然ですか >


久々に逢っているからなのか・・・
一緒に見た花火に、
お互い少し酔っているせいなのか・・・

ひと月前に話した事などお構いなし。

それがまるで幻だったかのように、
互いで互いを貪った。



重ねた身体を離して、
初めてわかる紅色の液体。

隣街の花火で流れた紅は、
痛ましく悲しいけれど、
同じ味がするんだろうか?

指を口にして、
幸せの鉄分の味を確かめた。



目の前の紅をお前に塗り込みながら・・・
俺自身を確認する。


2001年07月21日(土)


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< 他人が気になりますか >


婚約の挨拶をしに、
友人が彼女宅を訪問した。

半同棲の生活・・・
お互いの信頼関係・・・


充分過ぎる程の条件を揃えた彼らの歩みは、
むしろ遅い位に感じる。


俺がお前とつきあい始めたのも、
彼らとほぼ同じ時期。

二人の物理的な距離・・・
お互いの精神的な距離・・・


今の段階では、
お前との結婚生活なんて、
俺は全く考えられない。




けれども・・・
きっとお前は違うだろう。

 「いつまで待つの?」

甘えとも本気とも判断付かない言葉を、
ある一定の周期でぶつけてくる。

お前にとって俺は、
既に結婚相手として認められた存在なのか?



嫉妬・・・

そんな気配が、
お前の言葉やメールの端々に見えている。


2001年07月15日(日)


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< 逢いに行っても良いですか >


その悪戯っぽさもわかってる。
周りに誰もいないのもわかってる。

けれども・・・

声が弾んでいるのは、
職場からの電話で興奮しているからですか?

声が弾んでいるのは、
俺と話すのが久しぶりだから?



少し怠惰な午後。
少し変化の欲しい昼過ぎ。


 「別に用はないんだけど、電話でもしてみる?」


少しだけ本当に好きな人に触れたかった。
少しだけ俺の誘いに乗って来る彼女。



顔を見ながら話していたら、
俺はその差に気づいてしまう。


顔を見ながら話していたら、
こんなに楽しく会話が出来ない。


 「また逢いに行くよ♪」
 「会いに来てね♪」


言葉ではきっとわからない・・・

けれど漢字にすれば、
気持ちに差があることが良くわかる・・・



どうしても好きだ。


2001年07月09日(月)


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< 月明かりの魔法は効きましたか >


まだ始まったばかりで、
砂山のように脆くて頼りない、
そんな二人を見守るかのように・・・

明るく光っていた月明かりが、
そっと静かに姿を消した。


 「離れているけれど、同じ月を見ているんだね。」


あの時お前を想って、
あの空を見ながら言ったたわいも無い言葉。

それが今、
大きな力を持っている。




なんとなくお前を遠くに感じる日々。
俺の問いかけにも返事が返ってこない・・・

そんな中、
俺はあの時を想い出していた。



 今ちょうど月を見ているよ。
 今晩は月食だったんだね、
 さっきTVを見ていて気がついた。

 去年の夏だっけ?
 一緒に月食見たの。
 きれいだったよね!

 今日は・・・隠れちゃったよ・・・



あんなに問いかけても返らなかった返事が、
すぐに届いた。

お前も同じ時を想い出している。



二人の歩みが、
ちゃんとお互いの胸にある。


揺らいだ自信を取り戻す事が出来た・・・
揺らいだ絆を結び直す事が出来た・・・


今夜の魔法使いは、
月のかくれんぼ。


2001年07月05日(木)


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