★高田崇史。 『QED 式の密室』

ちょっと前に「王都妖奇譚」読んでいたので、
なんとか安倍晴明の話についていけた、よかった。
内容はどれもネタばれになりそうで書けないが・・・・
「うーむ、そうかも」と思わせる歴史の謎解明の部分は
随所にあって、かなりわかりやすいと思う。
そして、この一言。
「真に怖るべきは、鬼でも神でも狐でもなかったんだ。
我々の無自覚な日常だ。つまり、本当の『鬼』は、善良で無知な人々
我々自信だということだよ

・・・・まさにまさに、その通り!
そしてそれは今でもすべてにおいて真実だ。
2002年08月28日(水)
★若竹七海。 『火天風神』

人間が吹き飛ばされるほどのすごい台風・・・・・
自然の力のすさまじさと、それに対する人間の無力さ。
映画にはよく「パニックもの」として描かれる天変地異が、
小説なのに真に迫っているのは、ただ自然の力の描写のうまさ
だけではあるまい。
人間が危機的状況下に置かれたときに、いったいどういう
行動を取るのか?
人間の外側をはぎおとした原始的な感情の部分「ジコチュウ」
がプラス、マイナスと微妙に変化しながら登場人物たちに現れる。
(もちろんずーっとマイナスな嫌あなヤツもいる;^^)
若竹さんのかく登場人物たちはいつもどこか素(す)を持っていて、
それがそれぞれ大きさは違うにしても暗く影を落としているのが
リアルだ。
それはいつもラストにも微妙に影響する。

今はまだ8月だが、来月は台風どうだろう?
今までもけっこう当たり年なような気がするが・・・・・
2002年08月24日(土)
そして、図書館にも行っていた。

昨日本を買ったが、その前日にはなんと図書館にも行っていた
という不届きもの。
なんでって・・・・図書館から借りたら、そっちが優先やもん(笑)
まあ、ワタシには書かねばならん読書感想文の宿題もないし〜
といいつつ、買ってきた「○ンキュ!」最優先で読んでんじゃねえっ!
(コミックはそれより前にもう読み済み・・・・爆)

というわけで、今回の図書館本、以下の通り。
あっ、前回からの「延長本」様も3冊ほど・・・・

「七人の安倍晴明」←かりちまった・・・・
「QED 式の密室」←文句言ってたわりにはまた借りた
「絆」←アンソロジーだが鈴木光司さん入ってる・・・・やば?
「緋迷宮」←これまたアンソロジー、女性版
「双頭の蛇」←角川ホラー文庫だった・・・・これもやば?
「パソコン主婦の友」←あはははは

今、「火天風神」を読み中。
2002年08月23日(金)
本屋だ、るるる〜♪長文注意。

「おきらくにっき」にあるとおり、おこちゃま用の「読書感想文
用の課題図書」を購入するという名目で、本屋に行った。
(名目で、というところがミソだ)
おこちゃまはほったらかしで、自分の本を捜索。
本をいっぱい持って歩くのは重いので(買い物カゴに抵抗あり)、
最初にひととおりぐるりと回って、
「あれとあれとあれとあれ」
目星をつけておいて、最後に到着するコミックのコーナーから
今度は逆に目星本を手に取りながら戻ってくる。
最近はすぐに目星本がなんだったか、とかどこだったか、とか
すっかり忘れてしまうという現象が起き、頭が痛いところではある。
そろそろ買い物カゴか・・・・。

本屋を入ったところにある「新刊図書のコーナー」に、かねてから
欲しかった東野圭吾「トキオ」があるのをチェックしていた。
が、新刊コーナーは逆にたどると一番最後になる。
あとは、「トキオ」だけだ・・・・と立ち寄ると、
ない!どこにもないではないか!
本が置いてあったところには、別の本が平積みされている。
1冊だけ置いておくなんて・・・詐欺ちゃうんか←言ってる事がヘン
誰かがお金が足りなくてあきらめてそこに置いたのか?
それとも強烈なファンか親戚がそこに目立つように置いたのか・・・
まさかこんな有名な著者の本をそんなんするわけないし。
ああーそれにしても、アンビリーバブル!
「トキオ」が欲しくて来たのに・・・・うっうっうっ。
(といいつつ、他にもコミックとか新書を持っている)
その後、作者別棚や別の平積みコーナーを探すが、どうしても
見つからない。早くも売りきれか?
いや、出たばかりではない。そんなはずはないのだ。
レジのお姉さんに聞いてみる。
ワタシ「あのう・・・「トキオ」という本を探しているんですけど」
店員「ときお?(首をかしげる)」
ワタシ「(し、しらんのかっ)わりと最近出た本なんですが」
店員「(ますます首をかしげる)時って時空の時ですか?」
ワタシ「・・・・カタカナです」
店員「書籍、ですよね?」
ワタシ「(それ以外に何があるというのか???)ハードカバーです」
お姉さん、別のお姉さんに聞く。「ときお、だそうです」
別のお姉さんも首をかしげる。あんたら新刊チェックしてへんのか〜
パソコンで調べてようやく発見した。さらに別の店員サンを呼ぶ。
「ヨッコヤ〜マさあ〜〜ん」
・・・・こんな広い店内で、聞こえんやろって。
しかし、ヨコヤマさんはえらい。お姉さんはヨコヤマさんから受け取った
本をワタシに見せて言った。
「これですよね」「ハイ」
こうして、やっと「トキオ」はワタシの元にやってきたのである。

今回は長文失礼をば。
というわけで、今回購入した本は以下の通り。少なめ。
『トキオ』←ふっふっふ、いつ読もうかな〜
『綺羅の柩』←久々建築探偵うれしい
『レディミッドナイト2』←完結してしまった
2002年08月22日(木)
★高野和明。 『13階段』

なかなかに重々しいテーマ、「死刑制度」。
死刑があるべきか、ないべきかは賛否両論様々な考え方があると
思うが、その極めて間近にいる職業「刑務官」の立場を垣間見るのは
初めてだった。驚いたけれどそうなるのだろうなと納得した彼らの
思いはあまりにも苦しい。
そして、犯罪には必ず存在する「被害者と加害者」。
世間の中で、事件は犯人が逮捕されたところで終わっているが
当事者にとってはその後の方がずっとずっと長いのだ・・・。
そして、どんな人間にも、本人が気づかないところに殺意のスイッチが
ある、そんな表現には心底ぞーっとした。きっと衝動殺人は
みな、そういうことなのだろうから。

なかなか読み応えがあって、最後まで一気に読めた。
見事にぎょっとさせられたところもあったし。
最後がちょっと気分的にはあまり受け入れられなかったけども、
それは読者のわがままというやつか。
映画化されるという話を聞いたが、見てみたい気もする。



2002年08月21日(水)
★宮部みゆき。 『ドリームバスター』

ミステリ読みたちの間ではあまり芳しくない評を聞いたこともあり
ちょっと二の足を踏んでいた。
しかし、思い出せ。昔はSF好きだったぞ!(笑)
なんだかんだといいながら、最初の登場人物が自分と同年代(と思う)
の「ウレウレマダム」だったので(爆)、感情移入出来た。

全体的には、昔読んだSF「クラッシャージョウ」を思い出した。
そう、下町のクラッシャージョウに、宮崎アニメの乗り物が
出てくるという雰囲気。悪くない。
シチュエーションの説明がちょっと鼻についたが(2度もいらないと
思う)、人間の意識のほころび、弱み、記憶のあいまいさ、などは
なかなかうまいし、ゴーストバスターズほどコメディでないのは
それだけ夢の中味を真実味をもって捉えているからだろう。

それにしても、まったくの第1章という感じで終わってるよ・・・
(泣)
早く続き出ないの??
2002年08月20日(火)
★高田崇史。 『QED 百人一首の呪』

百人一首は、子どもの頃からなじみがある。
お正月の我が家の恒例行事だった。
子どもたちの誰かが出してきて、そのまま百人一首大会に突入。
だんだん取れるお気に入りの札が増えてくるのはうれしかったし、
それをほかの兄弟に取られるともめたりもした。
そのくせ、それがいったいどんな意味を持つかなんて、全然知らな
かったな。激しい恋の歌もたくさんあったのにね。
今は・・・・もうほとんど上の句ではとれないだろうな。

本題。
実は何度も寝そうになった・・・・ごめん。
その解答には「おおっ」と思ったが、そのための説明が長くて、
もしまったく百人一首に興味がなければ、まったく物足りないだろう。
単に百人一首の謎を突き詰めるというタイプの話の方がわかりやすかった
かもだが、謎解きはかなり長いのでどうかなー。
でも、久しぶりに触れた百人一首。懐かしかったな。
2002年08月19日(月)
おしらせちょびっと。

晴れの国から大和国へ帰省するため、しばらく更新が
できません。
でも、図書館本をごっそり持って帰るつもり。
・・・こういうのに限って、読まずに持ちかえったりするのが
オチなんだけど。
というわけで、1週間後にまた。

2002年08月11日(日)
★有栖川有栖。 『幽霊刑事』

あちこちで「いいよ〜」と聞いた気がする。
そして、読み終わった今、それがわかる気がする。

本格なのね。
でも、どうしても恋の行方、幽霊の物語の方が気になって。
最初から幽霊って思うと、最後の結末が見えるような、でも
本当はもう少し報われたらいいのにとか、ごちゃごちゃ
思っているうちに、どんどん謎が解かれて行き、事態は
急転直下。ちょっとドラマっぽかったけれども。

物語を通して、コンビのコミカルなやりとりが
切なさを包み込んでくれたけど、やっぱり最後は・・・
じいん、と熱くなった。哀しい。2度までもこんな思いを
するのはワタシは嫌だ。
大切なひとに置いて行かれるのも、大切なひとを置いて行くのも嫌。

それにしても、すまちゃん、いい女すぎないか〜??

2002年08月08日(木)
図書館たりらりら〜ん。

暑い。
夏休みは図書館で勉強、なんてしていたのは、受験の時だっけ。
早くから並んで、整理券をもらって、自習室で勉強。
その頃は図書館で本を借りる、なんて感覚はまったくなかったな。
今思えばもったいない話だよ。
でも・・・・家は暑いし、はかどらないんだもんね。
だからといって、図書館ではかどるって訳でもなく、友達と
休憩と称してお茶するのが楽しみだったりした、おこちゃまだった夏。

今回の借りた本は以下の通り。
『幽霊刑事』←やっと探し当てた♪
『ドリームバスター』←おおっラッキー♪
『13階段』←たまには話題の本も
『スクランブル』『火天風神』←若竹強化月間続く
『どーなつ』←また借りてしまった・・・北野SF
『QED百人一首の呪』←ついに手をつけた
2002年08月07日(水)
★折原一・新津きよみ。 『二重生活』

意味深なこのタイトル。
なんだか最初から感じていた違和感が、最後までぬぐえなかったのは
当たっていたのだけれど、隠された意味を看破するところまでは
とてもとても・・・・見事にやられた。
けっこう深読みしすぎちゃったりなんかもして。
複雑に入り組み、もつれた糸はちゃんときれいにほぐれていくのだ。
思わず最初に戻って・・・・というのは、作者にしてみれば
してやったり、なんだろうな。

確かこのお二人は夫婦なんだっけ?
どんな風に執筆したのだろう・・・・もし文庫が出ているなら
後書きや解説なんかがあるのかな。

最近は結構探偵業も流行りらしい。
主婦のアルバイトとしては・・・・だめか?
ワタシ気が小さいから、きっと聞きこみとかできへんわ(自爆)


2002年08月05日(月)
★恩田陸。 『黒と茶の幻想』

いやあ、最近分厚い本づいている。
前回は「あかんべえ」だったし・・・・・
だいたい分厚いというだけで敬遠してしまうというワガママな
読者なのだ。活字中毒とはおこがましくて言えない。

4人の友人が、久しぶりに再会して旧交を温める?旅をする。
わかるのだ、彼らが「なんで今まで忘れてたんだろう?」という
気持ちは・・・・・なぜなら、同年代なのだ。
過去はきっと、自分の都合のよいように改ざんされて、表面上の
記憶としてじりじりと蓄積して行くのである。
彼らはたぶん、恩田さんと同い年でもある。
きっとこんな風に過去を思い、たわいのないことを考え、緑の
森に圧倒されながら彼女も旅をしたに違いない。
読んでいて感じるこの安心感はジェネレーションギャップのなさか。
それとも、作中の時間の流れのゆるやかさか。

ミステリ、ではないのかもしれない。でも、随所に飛び出す
謎解きごっこは、なんだか楽しく、うらやましい。
それに覆い隠されていた「楽しくない」謎も明らかになっていくが
すでにもう過去は取り戻せない。
それぞれが、それぞれの心の森の部分を感じながら、旅は終わる。

うーん・・・・あのころの誰かと旅がしたくなったぞ!
2002年08月01日(木)
By ちゃいむ

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