★宮部みゆき。 『あかんべえ』

本当に、久しぶりの予約だった。
・・・なーんてことはどうでもいいのだが。人気なのね、やはり
宮部さんの本は。

久しぶりに浸った宮部ワールド、やっぱり基本は温かい。
でもちゃんと言うべきことは言っているし、やっぱりこれは
ホラーなのだ・・・・
亡者が見えるのはそのひとの持つ心の闇に関係する、
なるほどと納得してしまった。
もしワタシなら?どんな亡者が見えるだろう、と思うと
ちょっと怖い。

「ただのおちゃっぴいじゃない」おりんが、一所懸命でとても可愛い。
後半そんな娘に引っ張られて開き直る母とのシーンが好きだ。
そして、かわいそうな女の子、お梅。
本当は愛してほしいのに。本当は仲良くなりたいのに。
あかんべえはそんな気持ちの裏返しだ。
きっと成仏していますように。
2002年07月31日(水)
ドラマ最終回。 『王都妖奇譚・陰陽師安倍晴明』

ついに終わってしまった〜淋しい。
やっぱし、全五回はまったくもって短すぎるぞ。
前回いきなり晴明と将之は親友になってたし。
ドラマの方は、はっきりと影連は悪役に徹していて、
最後のあの名セリフも原作とはまったく逆の使われかたを
していたのが印象的。
晴明と将之の関係も、ドラマはまた違った形だった。
あれぐらいの方が、映像的にはいいのかも。

エピソード1終わりって出ていたけど、それって
また続く可能性アリってことなのか。
それはそれで、なにが出るのか楽しみではある。
2002年07月30日(火)
★アンソロジー。 『名探偵の饗宴』

キッド・ピストルズ、葉村晶、暮林美央、法月綸太郎、
二階堂蘭子、メルカトル鮎、大道寺綸子、桜井京介。
うーむ、なんという豪華キャストだ。
といいつつ、自分が読んだことのある「名探偵」ものは
この中でわずか4名である。(しかも一人は漫画のみ)
最近、アンソロジーが好きになってきたので、色々な人の
短編に触れることが多い。その中で思わぬ自分的発掘が
あったりすると「ふっふふ」とにやけてしまうのだ。
今回は「バルーンタウンの裏窓」。
SFとミステリがさらりと溶け合っているのがとても
新鮮で楽しめた。シリーズらしいので、もちょっと読みたい。
なんたって、「人工子宮が一般的な世の中」なんだもんね。
それから、亀腹って・・・・これはたぶん他の短編を読めば
もうちょっとわかるような気がするが。
でもほしいぞ、ウミガメの剥製!←カメ好き
2002年07月29日(月)
★栗本薫。 『青の時代』

以前に読んだ「早春の少年」は、文字通り伊集院大介の少年時代
だったが、今回の彼は大学生だ。
うーむ、「名探偵のタマゴ」か、いい響きだ。
「青の時代」というからには「青春時代」なんだろうが、
伊集院大介に「青春」という言葉はなんだか似つかわしくない
ような気がする。
すでにもう彼は名探偵伊集院大介なのだ・・・。
かわっちゃいないのだ。
そういう意味では目新しさはないけれど、そういう時代を
彼もまた過ごしてきたのだなあ、と思った。
ワタシが過ごしてきた時代とは全然違うのに、なんだか急に
遠い過去、それなりに一所懸命だった昔の自分が懐かしく思い出された。
21の頃か、ふふふ。
2002年07月28日(日)
★曽野綾子。 『天上の青』上下

ハードの上下本というのは、なかなかに勢いがなくては
読めないものだが。
前々からこの本のタイトルだけは知っていた。
なんてロマンチックな名前なのだろう。これは西洋朝顔、
「ヘブンリーブルー」の名前である。
その名前と青さにあこがれて、毎年自分の庭にも植えている
ぐらいだ。
1日中咲いているので、普通の朝顔のようにはかなげではない。
そのへんが、ちょっとこの話と似ている。

それにしても・・・昔見たドラマで、ちらりと二人の主人公の
からみを見ただけだった印象で本を借りたのだが、なかみは
まったくイメージとは違っていた。
その救いようのなさに何度もやめたくなったが、それを読ませたのは
ひとえに主人公雪子のちょっと変わったまっすぐな生き方のせいだ。
ありのままに生きていくということ。
すべてをあるがままに受け入れるということ。
そんなことをやりとおせるひとは、なかなか現実にはいないだろう。
いったいこのひとは、「あんな」彼になんと言うのだろう・・・と。
物語は淡々と進み、まるでドラマチックでないのが妙に現実的だ。
そして・・・ワタシにはちょっと理解するのが難しいのが残念。
2002年07月23日(火)
夏休みの図書館へ行った。

きっと夏休み初めての土曜日だし(本当は土曜日はいわゆる
「土曜休み」で、日曜日は「海の日」。本当の夏休みは22日の
月曜日からなのだが)、ものすごく混むだろうと早めに行く。
20分前についたが、一番近い駐車場はすでに半分は止まって
待機。それから10分後には、すでに満杯になった。
ふむ、なかなかみんな、出足早いやんか?

というわけで、夏休み初めての図書館。
・・・といっても、ワタシにはなんの関係もないが。
延長本;^^)以外で借りた本は、以下の通り。

「あかんべえ」←めずらしくなりゆきで予約などしてしまった
「名探偵の饗宴」←アンソロジーは特かも
「黒と茶の幻想」←この分厚い本、読めるのか不安
「二重生活」←勢いで手に取る
「青の時代」←ふっふっふ伊集院大介

少ないって?・・・だって延長本が4冊もあんねんもん。
2002年07月22日(月)
★新生璃人「小説王都妖奇譚 幻獣幼鬼」

たまたま図書館にあったので、小説もいいかと借りてみた。
原作者岩崎陽子さんのイラストは、扉だけで残念だが、文中のイラストも
かなりイメージ的に似せてあるので、雰囲気を損なうことはない。
ストーリーはオリジナルのようだが、基本的に原作に忠実な人物設定が
されているので、頭の中であの「彼ら」が動く、そんな感じで楽しめる。

実は先日、たまたま本屋で新作小説の「哀戀女鬼」をゲット。
ふふふふふ。
2002年07月17日(水)
コミック。 『王都妖奇譚』 岩崎陽子

実は、今ドラマでやっている。
「陰陽師」映画もNHKも見ていないが、なぜかこれを見て
猛烈に原作が読みたくなった。
(もっとも夢枕獏さんの『陰陽師』はミドクの塔に積んでいる)
コミックの初出は1990年でもう12年近く前なので、
知る人ぞ知る陰陽師ブームの先駆けを作った漫画らしい。

ドラマの感想は、ドラマがすんでから書くとして(笑)。
原作漫画は、文句なしに面白い!そして・・・・みな美しいぞ。
友情という言葉を使うのが恥ずかしくないほどまっすぐな
将之はとってもいい。美しすぎる清明の心の迷いがまたいい。
そして宿命の相手影連・・・・その素直でない、妖しく哀しい思いのかたまりに、
6巻(注:普通コミックではなく文庫コミック)の最後で
・・・だから私はおまえが嫌いなんだ・・・
と言わしめるまでのやりとり。たまらんですわ〜←はまりやすいヤツ
マジ泣きました。
良源もカッコイイぞ!ああ〜(ため息)

・・・・なんて、ほとんどミーハーやんか!

2002年07月15日(月)
★北野勇作。 『かめくん』

図書館のひと〜。今日行ったら棚に帰ってたぞう。
予約の連絡来なかったぞう・・・・

まあそれはさておき。
いやあ、なんというか、シュールだった。
なんだろう、もともとSFはシュールなものなんかな。
だとしたら、この本が読みとおせたのは、ひとえに「かめくん」
というキャラクターのおかげかも。
ザリガニはいまひとつだめだったもん。

「かめくんは、かめくんであって、かめくん以外の何ものでもない」
・・・この一言につきる。
行ったことはないのに懐かしいような風景。
そんなこともあったのかどうか思い出せないけど別にかまわない。
淡々と進むかめくんの日常は、しかし非日常だ。

ウチのかめたろうとカメヨにも、紅玉をあげたら喜ぶかな?

2002年07月12日(金)
★高里椎奈。 『悪魔と詐欺師』

薬屋さんシリーズ3作目。
このストーリーは、ちょっとその構造が変わっている。
四つのまったく無関係に見える死が、最後の話によってすうっと糸を
通されて行く感じ。
それぞれのストーリーも独立していて雰囲気も違うせいで、
よけいにその糸の引き方が際立つが、今回はまさに「妖綺談」
めいているなあ。
「ゆた」の話は、切ないなあ・・・・

余談だが、高遠さんはもっとおっさんなのかと思っていたが
違った!見合いするぐらいの歳だったんだ・・・・
高遠さんすまん。
2002年07月11日(木)
★若竹七海。 『死んでも治らない』

この人の本はいつもどきっとさせられるなあ。
主人公ですら信用できないかもだぞ、などと警戒せねばならないのに、
マヌケな犯罪者やユーモアあふれる文章に気を取られていると、
それをころっと忘れてうっっ、とやられる。
(実際やられた)
そして、「死んでも治らない」はそれが冴え渡っている。

ひとつだけ。全然関係無いけど。
ワタシのあこがれの車、フォルクスワーゲンにあのどうしようも
ない女性が乗っていたというシチュエーションが、哀しかった。
そうだ!あれはビートルではなくて、きっとニュービートルだ!
(勝手に解釈)
2002年07月09日(火)
図書館へいく。

たぶんどこの図書館でもそうだと思うが、借りたい本を
パソコンで検索出来るようになっている。
今貸し出し中でなければ、借りるチャンスはあるのだ。
どうしても借りたいその本は、貸し出し中ではなかった。
探す。
書棚にはない。文庫なのだが、間違ってハードの方にないかと
探すも、ない。
誰か借りたか・・・・再度パソコンで確かめるが、その気配は無い。
ぐるぐる回って探す。
そっか、誰か返却したのに、まだ書棚に戻っていないのかも。
図書館の人が、返された本をがらがら本だなにのせて本を戻しに
くると、わらわらと人が集まってくるのだが、今日は忙しいせいか
がらがらが来ない・・・
うっ。あきらめよう。
ためしに、図書館の人に聞いてみた。
「パソコンにあるって出るのに探してもない本ってどんな場合ですか?」
「うーん、まずその本がすでにない場合ですね」
「えっ?」
「そのまま持ってっちゃう人もいます」
「えーっ!」
「とりあえず、予約して下さい」
・・・・というわけで、ワタシにはめずらしく予約した。
普段はしない。
絶対に手に入れたい本は買う。そうじゃない本は、めぐり
合わせなのだ・・・・などとカッコイイことを言ってみるが、
ようはあのカードを書くのがめんどうなだけのだ。

長くなってしまった。今回の本は以下の通り。
「恐竜ATRAS」←ちょっとは勉強
「天上の青」上下←ついに借りた
「puzzle」←引き続き恩田月間
「死んでも治らない」←引き続き若竹月間
「悪魔と詐欺師」←薬屋っ

2002年07月08日(月)
★高里椎奈。 『黄色い目をした猫の幸せ』

一作目「銀の檻を溶かして」はどうもなじむ前に終わって
しまったのだ。だから、続きを読むのが遅くなった←やはり言い訳
2作目を読んで、すこうし慣れて来たか(笑)。
キャラに感情移入できなければ、この手の話はなかなかついて
いけないのだ、と思う。
特に、主人公たちは、かなりぶっ飛んだ性格&容姿の持ち主だから。
しかも人間じゃねえっ・・・・
だが、続きは読みたい。彼らのことをもっと知りたいと思わせる。
あー、感想になってないね。

痩せる薬、出して下さ〜い。
2002年07月07日(日)
★若竹七海。 『閉ざされた夏』

感想を書く前に、図書館の期限切れでもう今は手元にない。うう。
舞台は、さる文豪の記念館だが、記念館というのは博物館や
美術館と同じようなコンセプトで、厳重なセキュリティーでもって
運営されているらしい。
何かのときは炭酸ガスもちゃんと出るんだ・・・・←無知

若竹作品は、時に切ない。胸きゅんの切なさではなく、どうしようも
ないやるせなさを伴う。それが、読後感を危うくする。
テンポ良くいってると思ったら、くるっとひっくり返される、
そんな感じが独特だ。
でも・・・・・

ああっ、もっと色々書こうと思ったが、本が手元に無いぞ!←言い訳
2002年07月06日(土)
本屋に行く。

いやあ、お金が入ると気が大きくなってしまう。
といっても、そういう時のワタシの買い物は、貴金属でも洋服でもなくて
本なんだが(笑)。
ダンナいつもお仕事ありがとう〜〜。
(こういう時だけ殊勝)
ま、気が大きくなるって言っても、やっぱりハードは敷居が高くて
文庫に走っているのだけれど。はっはっは。

というわけで、今回購入本は以下の通り。
『不発弾』←まだ前の乃南本、ミドクで積んでるのに・・・・
『裏庭』『西の魔女が死んだ』←ワタシを呼んでいた
『きれいな色とことば』←癒されたい・・・
『王都妖奇譚』←ドラマでやっていたのでつい。
2002年07月04日(木)
★恩田陸。 『象と耳鳴り』

一体このタイトルの意味は!
それがこの本の第一印象。象と耳鳴りにどういう関係があるのか?
まあそれは読んでのお楽しみ。
連作短編集であってそうでない、変わった1冊である。
リタイアしたばかりの元名検事、という渋い主人公は一応いるのだけれど、
作品ごとに出てくる相方もシチュエーションも、そして話の切り口
も全然違うのだ。
そして、どれにも共通するのは、「論理の構築」。
うまく言えないが、「机上の空論」が空論でない、という感じが
近いかな。謎が解かれて行くのをただ呆然と見ている自分。

続編ぜひ書いてほしい。


2002年07月02日(火)
★井上夢人。 『オルファトグラム』

好きな作家だが分厚いので、図書館にあるのは知っていたが
ちょっと敬遠していた(分厚いのは苦手)。
だが、本屋で文庫が出ており、裏表紙のあらすじが面白そうだったので
これは読まにゃおえんと図書館で借りる。
事故によって嗅覚が目覚めるという話だが、その視覚的なイメージが
なかなか斬新だった。慣れるまでちょっと時間がかかったけれど。
以前、東野圭吾さんの「虹を操る少年」を読んだとき、その後書きに
井上夢人さんが「似たような素材の話を書こうとしていて」ショック
を受けたと書いていたの思い出した。
「虹・・・」は聴覚だったけれど、その時井上さんが考えてたのは
この嗅覚だったのかな、なんて思ってみたり。
嗅覚についての様々な理論?や分析が実に面白い。匂いは確かに今まで下等な
感覚として捉えられすぎていたのかもしれない。それが本当はこんなに
美しく、嘘をつかない感覚だった、と言われれば、見てみたい、と
思う。一体自分はどんな「匂い」を発しているのだろう?
犯人のイメージがちとつかめにくかったのは残念だが、それをさし
ひいても充分楽しめた。
2002年07月01日(月)
By ちゃいむ

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