にゃんことごはん
ごはん



 春嵐 サクラを散らす季節風 乳白色の空も染まるか

一気に開花した桜が、その後の寒気でしぶとく残っています。

居間の座椅子に温熱毛布をかけて、たまに昼寝したり、早く起き過ぎた朝に二度寝したりしています。で練ちゃんはそこが気にいって、よく掛布団に潜り込んでいます。

ただ、何というか不器用な練ちゃんらしく、頭から突っ込んでいくものの潜り込めずにいて、どんどん掛布団がずれていくという……。
私が寝ているときは、隙間に潜り込めるように掛布団を持ち上げるから、そこに収まればいいのですが、私がいないときも、同じように潜り込もうとするので、なんだか掛布団にまみれています。

気が付くと、寝ている練ちゃんを起こさないように掛布団をかけなおします。
全部覆ってしまうと気が付いて起きてしまうので、掛布団をドーム状にします。

ドーム状の掛布団で練ちゃんを覆う、と言った感じでしょうか。

ときどき昼間に目を覚ました練ちゃんがドーム状の掛布団から頭を出します。
まるで海底から起き上がってきたゴジラのようです。
そしてまた、態勢をかえてドーム状の掛布団に埋もれます、ゴジラ、海底に戻る……。

そんな感じの春の一日。

2019年04月14日(日)



 猫は楽しかったことしか覚えていない、という本があります

ほんとうにそうなのかどうか、わかりません
怖かったことも覚えていなければ、生きていけないと思うのですが

我が家の居間から桜が見えます
ここに越してきた数十年前は、我が家の窓からは見えませんでした
つまり、そこまで背が高くなかったのです

贅沢な花見ですが、それも最後です
私も楽しかったことしか覚えていなければいいのにと、思います

今でもショーちゃんのことを思い出すと、涙が出ます
あの年の寒い2月、雪、ソチオリンピック、どれを思い出しても涙が出ます
ソチの次の平昌が去年、終わっても、私はソチに引き戻されてしまいます

朝、仕事前にショーちゃんを獣医さんに預けました
そのとき、私は何気なく「ばいばい」と言いました、「迎えに来るからね」と
バイバイじゃなくて、「また後で」と言えばよかったんだろうかと、ずっと考えていました

でも、ほんとうはそんなことではなく、私はただ、死にそうなショーちゃんの傍にいたかった、仕事なんか放りだして、傍にいたかった、もしショーちゃんが人間の身内なら、許されたかもしれないそれが、猫だから許されなかったのが、いや、猫だから許されないと思ってしまった自分が悔しかった

あれから5年

ショーちゃんが覚えている楽しかったこととは、なんだったのでしょうか
ガラス越しの出会いのあの日のことを覚えているでしょうか
私のトレーナーの裾にくるまっていた日のことだったのでしょうか

いつも、すくっとバレリーナのように美しい立ち姿を見せてくれていたショーちゃん

君と別れて5年、私はまだ立ち直れていないよ

2019年04月07日(日)
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