明瞭には成らぬ期限に、 惑い、 怯えながら。
幾度と無く、 其の柵を裁ち切ろうと、 図り。
未だ訪れぬ、 其の、 破滅の刻は。
残した想いに縋り付く、 其の機会を。
悪戯に、 供給し続ける。
極めて質の悪い媚薬に、 侵されたかの様に。
何度も、 何度も、 想いが揺り戻され。
此処へ、 還って了うと言うのなら。
此れ迄とは異なる、 振る舞いで。
想いは、 絶ち切れるのだろうか。
何時もの様に。
「さよなら。」
あの子は、 一言残して改札を通り。
今迄に抗い、 一瞬、 振り向こうとして。
そして。
其れを止めた。
そうね。
振り返れば、 裁つ決心は鈍って終うし。
振り返らなければ。
きっと、 想いを裁つ事は出来ないよね。
---------- References Apr.30 2013, 「和らげて居る心算でしょうか」 Nov.18 2012, 「探る必要も無い事でしょうか」 Sep.18 2012, 「見て居なかったのだと斬り付けるのですか」
|