極僅かなずれで在っても。
雑音化し、 互いの波を剪断し勝ちだから。
其の、 周期の差異は。
大抵は危機だと感知され、 嫌悪されるけれど。
本当は。
其の食い違いこそが、 望んで居る、 好機で。
周期を、 僅かに伸縮させながら。
巧みに、 間隙を創り出し。
再び、 元の周波数へと、 自身を埋もれさせているのかも知れない。
何食わぬ顔で。
「仕事納めたら直ぐ実家に帰るの?」
「はい。」 「彼も同じ日に帰りますよ。」
「じゃぁ帰るの一日遅らせなよ。」 「こっそり。」
「ですね^^」
隧道の向こうで。
彼女は時折、 自身の波間を歪め出す。
---------- References Dec.09 2009, 「何時か意図が見えるでしょうか」
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