幾度も、 幾度も、 其の身体に刻み込んだ、 想いですら。
至極簡単に、 霧散して終う位なのだから。
僅か一日限りの、 一瞬の声が。
幾年も続く流れの、 其の芯に、 居続ける事など。
皆無に近いだろう。
其れでも。
想いは、 ひたすらに注ぎ継がれるのか。
此の一瞬が、 刻み残される様にと。
「しょーてんは?」 「なんかちがうよ?」
嘗て。
父親の膝の上で観た、 新司会者の、 其の初日の姿や声が。
今も、 俺の脳裏に浮き出る様に。
娘にも又。
今日の、 此の映像が。
ずっと、 ずっと、 残存し続けてくれるだろうか。
俺と過ごした記憶の、 一つとして。
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