自身の中身を、 相手に、 完全に複製する事は。
不可能だから。
人は、 伝える事を止めないけれど。
其の、 労力を厭わぬ想いが。
枯渇した時。
諦めに似た妥協か、 或いは離別かを。
人は、 選択肢として、 脳裏に浮上させるのだろうか。
言っても無駄。
嘗て何度か、 諦めに似た妥協を探り。
そして俺は、 想いを保てずに崩壊した。
アイツの時も、 貴女の時も。
相手を、 嫌いに成る時が。
果たして、 何の様な時か。
其の問い合わせに応えた事が、 直接の原因だろうか。
「姫がそう想う理由が。」 「俺には分からない。」
「うん。」 「言ってないもん。」
嘗ての俺と同じ様に。
姫は、 言っても無駄だと、 口にする。
寄り添いたいと、 お互いが願いつつ。
其れでも、 譲れぬ部分が在るのなら。
伝えて行くしか無い筈なのに。
察しろと、 姫は俺を試して居る。 |