決して。
其の帆に、 順風を受け続けて来た訳では無い、 航海に。
其の、 想像など。
何の意味も、 為さないのだけれど。
何れ程。
着実な歩みを、 重ねて来たとしても。
触れれば、 全て弾け飛んで終う、 琴線が。
在るのだろうか。
心許ない、 一歩、 一歩に。
何れ程、 力を込め続けても。
触れ。
裂けて終った、 其の糸は。
もう。
紡ぐ事が、 出来ぬのかも知れない。
「戻って。」 「行かないで。」
玄関を、 飛び出ようとした刹那の、 俺の一言に。
踏み留まり、 内へと戻ってくれた、 姫の身体反応を。
信じたいけれど。
何故に。
今日に限って、 契約の指輪が届くのだろう。
二人を、 嘲笑う心算か。
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