身に纏う衣や、 或いは、 生きる糧が。
此の身に具わった時に。
初めて。
人として、 ふみ行うべき作法や、 言行の度を、 弁え得る様に。
其の存在に。
決定的に作用しかねない、 異常は。
付帯する、 数々の歓喜を。
全て、 封印して了うけれど。
切に願い続ける、 唯一の条件が。
此の手に、 舞い降りてくれるのなら。
寧ろ。
其の歓喜を、 全て投げ捨てる事など、 厭う気も無い。
望みを、 贅沢を。
持っては成らぬ気がして。
反論し掛けた、 自身の口に。
慌てて蓋をした。
「どうしよう。」 「小坊主に性格そっくりなのに・・・」
「何でだよ。」
「お腹のなかにいるときから。」 「股を開いてるんだよ♪」
「洒落に成らないから止めてくれ・・・」
其の姿は。
決して俺では無く、 紛れも無く、 姫の娘で在る証明だけれど。
無事なら。
其れだけで良い。
---------- References Oct.31 2005, 「二つの色の何方でしょうか」 Sep.28 2005, 「印象が変化しては居ないでしょうか」 |