透明で、 無機質の中へ。
様々な彩りを、 加え行けば。
一つ、 一つ、 染み出した色が、 協調し。
深み在る極上の味わいへと、 変化を遂げるけれど。
其の、 一つ一つは。
内側から、 自己主張を繰り返し。
決して、 消えた訳では無いのだ。
恐らくは。
融け逢った個は、 其の味覚に、 深みを加える一方で。
融けた個の存在を、 決して、 見失わぬ様にと。
想いを宿した、 言葉だったのだろう。
「世帯合併した方が良い?」 「やっぱやめとくべき?」
妙に輝きを増した、 姫の瞳と。
妙な意思表示に困惑する、 窓口の担当者に。
変わらぬ、 お互いを感じて。
思わず、 苦笑した。
一足す一は、 二にも、 三にも、 出来るけれど。
加えずに、 一で居る事も。
願わくば、 忘れる事の無い様に。
---------- References Dec.07 2005, 「保険の欲しい婚姻でしょうか」 |