お互いの手を、 繋ぎながら。
ゆっくり、 ゆっくり、 一日を振り返る。
情報の共有と言う、 事務的作業と。
想いの確認と言う、 精神的作業が。
其処には、 内包されて在るから。
何れ程、 夜半に成ろうと。
此の時間だけは、 保てる様に、 過ごして来たけれど。
もしかして。
其の場で交わした、 言葉の数々は。
飽く迄、 表面上の肯きから産まれた、 想いなのだろうか。
「穏やかでも、確実で太い方が良いって。」 「今は想って居るでしょ?」
「うん。」 「昔は違ったかもしれなけれど。」
二人の絆を、 確実に、 縒り上げて行きたいと。
頷く姫に。
愛おしさを、 隠せなかったのに。
自身を、 桜に準えて。
「開花は遅かったのに散るのは早いなぁ。」 「私の恋愛みたい。」
姫は、 日記にそう記した。
実は、 簡単で単純な原理なのかも知れない。
求めて居る物が、 違うから。
だから、 擦れ違うのだ。
---------- References Mar.20 2005, 「見ずに済む理由も想いでしょうか」 |