もしかしたら、 其処には、 既成の世界が存在して。
其の構成要素を。
飽く迄、 識別出来ないのかも知れない。
此の目に、 決して見て取る事の出来ぬ、 道筋が。
足元には在って。
其の道に沿う様に。
導かれ、 進んで居るだけかも知れない。
其れ故に。
何の保証も無い、 何の確証も無い、 言葉に。
人は踊らされ、 其処に、 自分を委ねるのだろうか。
去年見た、 其の桜並木を。
今年も、 二人でなぞり歩む。
「小坊主、今年も見られたね!」
「綺麗だね。」
「去年の方がきれいだった?」
「若干色落ちしちゃったのかな・・・。」
「あと何年一緒に見られる?」
「百三十年。」
「そんなに長く生きてないよ。」
姫が望めば。
其れは、 叶えられるだろうか。
其れとも。
何の確証も無い、 俺の言葉に。
姫は、 俺も、 身を委ねて良いのだろうか。 |