其れが、 既に完結した事項であって。
過去の出来事だと、 記憶から消し去ってから、 長い刻を経たからか。
其れとも。
其の中に潜む、 忘れたいと言う想いの大きさを。
十分に、 知って居るからか。
久方振りに、 其の記憶を呼び覚ました、 切っ掛けへ。
生じる筈の、 不審や戸惑いよりも。
刺す様な痛みが、 想いを、 支配した。
そんな物を残存させるのは、 きっと、 雄だけだと言うのに。
情報の収集には適当な人物だと、 読んで居るのか。
其れとも、 本当に何も知らぬのか。
「誰だかわかる?」 「バレバレか?」
君の元旦那から、 いや、 俺の同期から、 突然メールが届いた。
「何で突然俺に?」
「みんなにじゃなくて、小坊主にだけ?」
「そうみたいだな。」
「私と小坊主とのつながりを知らないのよ。」 「小坊主と逢うことはいつも内緒だったし。」
「こんなに親密なのにな。」
「だよね、ふふ。」
苦い筈の香は。
既に、 仄かに甘い香のする、 想い出か。
---------- References Aug.03 2004, 「整体術に成ったでしょうか」 Mar.29 2005, 「罠に掛かって居るのでしょうか」 |