其の経路は、 推測しか出来ないけれど。
情報は、 漏れて居たのだ。
此処か。
或いは、 極少数しか知らぬ筈の、 人伝か。
何処に穴が在るのか、 判別すら、 出来ないけれど。
何処からか。
事実の欠片を、 手に入れて居るのだ。
妹から届いた、 母親の、 言葉の欠片は。
明らかに、 具体的な事柄が、 多過ぎる。
「受験生位の子がいる人と。」 「おつきあいしてるらしいの。」
「不倫関係なのかしら。」 「忙しさだけであそこまで痩せる?」
半分は事実で、 半分は、 只情報が古いだけ。
俺が超えねばならぬ、 母親の壁は。
確実に、 其の高さを増し。
俺自身の想いを、 整理する為の場所は。
確実に、 何処かで一つ失われた。 |