抱いた想いを、 適度に、 適切に、 相手に伝える事が。
如何程、 肝要な事なのか。
今なら。
お互い其れを、 良く理解して居るけれど。
其の域に、 辿り着く前の想いは。
自身の内に、 滞り、 蓄積され、 自身の知らぬ間に、 増幅されるから。
過去に、 伝えられなかった想いは。
過去の、 過ぎ去った筈の想いは。
突発的に、 時を遡る能力を、 内に秘めるのだろうか。
抱いた想いが、 何時迄、 保たれ続けるのか。
きっと其れは、 想いの強さだけで、 定義される事では無く。
環境や時機が、 其処に、 深く介在するのだ。
「彼氏はいないんですよ?」
笑顔を向けて来る、 此の後輩の。
丁寧な、 疑問系の付録と、 其の意味に。
嫌に成る程、 あっさり。
気付いて終う。
「今から来ますか?」 「無理・・・ですよね?」
俺が嘗て、 彼女に抱いて居た、 伝えぬ想いを。
彼女は、 勘付いて居たのか。
彼女が嘗て、 俺に抱いて居た筈の、 伝えぬ想いに。
俺が、 勘付いて居た様に。 |