ふと読み返した文の、 中身の的確さに。
只、 呆然と立ち尽くした。
想いと意地で固められた、 根拠の無い自信と。
不安と寂しさから生じる、 無制限の甘えと。
嘗て、 其の言葉一つ一つは、 そう認識された筈なのだ。
其れが、 意識の土俵に登るのは。
決して、 日常茶飯事では無い。
其れを、 意識した時点で。
二人の関係は、 二人の関係では無くなるから。
けれども。
現実には、 経た年月の差と、 埋めようの無い経験値が、 其処に在り。
時に、 顔を出す。
年齢差。
気付かれる事は、 抑も許されないけれど。
平然と振る舞い、 頼れる存在に見えようと。
年下の雄が、 何れ程、 年月の差から産まれる経験の差に、 怯えて居るかなど。
相手に、 伝わる事は無いのだ。
「ずっと居られない気がするんだよね。」 「多分信用できないんだと思う。」
過去の雄に抱いた事の無い、 其の感覚を。
常に言い続ける、 姫の言葉は。
或いは、 本質を把握出来ては居ないかも知れぬ、 俺への警告だろうか。
「お仕事お疲れさま。」
貴女の、 労いで始まる過去の文に。
分かって居なかったのは、 俺の方なのだと。
只、 呆然と立ち尽くした。
---------- References Jul.17 2003, 「相手の為に腹が切れますか」 Mar.09 2003, 「相手を想うとは何なのだろうか」 |